沈黙の子宮くん

 スルピリドを飲まないことになった後、精神科に訪れた時の話だ。

 行ったのは精神科だけども話した内容などは生理不順に関することなので、婦人科項目に書いておく。


 Sクリニックの診察室に入った私はT先生に婦人科に行った話をした。

 プロラクチンが高いらしいと口にすると、先生は「あちゃー」という言葉が似合いそうな顔をした。


「スルピリドか」

「えっ、あ、はい」

「あれ、副作用が出ちゃったなら仕方ないね……」


 先生曰く、それなりの確率で起こる副作用のようだ。そのためプロラクチンという単語だけでスルピリドだとわかったらしい。


「じゃあ今回からは処方するのを止めようか」

「はい、そうします。……あ、あとですね……」

「どうしました?」

「婦人科の先生、ミルタザピンも原因かもしれない、と……」


 口に出しながらめちゃくちゃ辛い気持ちになっていた。

 なにせミルタザピン、これがないとまた不眠絶好調に戻ってしまうと思われるのだ……。


 婦人科のF先生が電話を下さった翌日まで話は遡る。

 のんびりと散歩などしながら暮らしていた私のところに、F先生からの電話が再びかかってきた。一体なんだろうと思いながら出た。

 優しい声色で「草森さんですか?」と問い掛けてくれたF先生は、すぐに本題へと入った。


『あのあと色々と調べ直してみたのですが、ミルタザピンも副作用に生理不順があるようです』

「え」

『なのでこちらも服用を中止したり、他のお薬に変えて頂いたほうが良いかもしれません』


 私は硬直した。散歩中だったのでたまたまあった公園に入り、ベンチに腰掛けながらミルタザピンをやめる事はできないと言った。

 なにせミルタザピン、何度も書くがこの薬のおかげでちょっとずつ回復をしており、睡眠時間も六時間はキープできるようになっている。

 服用をやめたら、終わってしまう……。


「や、やめるわけには、いきません……」


 とF先生にも言ってしまった。

 先生は少し困惑気味だったが、メンタルクリニックの先生とも話し合ってみてくださいと言ってくれて、電話はひとまずここで終わった。


 この日からの今、Sクリニックでの定期診察である。

 T先生は難しい顔をしながら真剣な顔で私を見た。


「そういう副作用、なくはないと思いますが……そこまで頻繁に起こる副作用ではないですよ」

「そ、そうなんですね」

「ええ、うん。かなり安定されてるように思うので、下手に抗うつ剤を変えてしまう方がまずいかもね……いや、草森さんが薬を変えたいのであれば別のものを」

「変えたくないです、ミルタザピン、だいすき」


 即答であった。T先生はニヒルに微笑み、じゃあいつも通りの処方で、と締めくくった。


 そんなわけで生理不順副作用疑惑のあるミルタザピンの服用は辞めなかった。

 結局のところ原因のひとつとなっているのかどうかは現時点で不明である。


 七月前半には婦人科の予約が入っているので、その時に再検査や再検診を行なってもらい、なんとか生理が来るように治療方針を定めたいなと思っている……。

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