優しいだけでは駄目なのだ
オンラインメンタルクリニック、思い返せば色んな担当医さんがいた。
ここに書いていなかった方もいて、その人は私をうつ病だと思ったらしく、うつ病の典型的な症状があるかどうかを妙にしつこく聞いてきた。
突然泣いてしまったりしませんか? 死にたいと思いませんか? 自分は駄目な人間だと感じませんか? みたいな質問だ。
ちなみに死にて〜とは思った。眠れないのが辛すぎていっそ殺して〜という気分だった。でも死にて〜の後になんでこんな目に遭わなきゃいけねえんだよぶっ殺してやるからな〜とも思っていたので無茶苦茶である。
オンラインのメンタルクリニック、なんにせよ今回が最後だ。数回お世話になった早口言葉O先生やらやたら高圧的だった赤ちゃんの泣き声ドクターやら……色々な人と話したけれども最後はどんなドクターだろうか。
ちょっとドキドキしながら通話を繋いだ。
現れた優しい雰囲気の女性ドクターは、私の診断書らしきものをモニターで確認してから話し始めた。
「不眠症なのですね」
「あ、はい、早朝覚醒という……」
「ええ、ええ、睡眠障害の一種です」
ドクターは穏やかに頷いた。私もなんとなく頷いた。
お茶会でもしているようだ……。
などと思っていると、ドクターはおもむろに口を開いた……。
「睡眠障害ですが、たくさん改善法はあります。まず、朝にお散歩をすること……。カフェインを摂らないように気を付けて、しっかり運動をする、部屋をちゃんと暗くする、リラックスできる体制を整える……お布団に入ったあとになかなか眠れなくても焦って寝ようとはせずに」
「あ、あの、朝にめっちゃ早く起きる不眠なので、布団に入ってからはすぐ寝ます」
「……ええと、たとえ朝にものすごく早く起きたとしても、です。今の睡眠習慣をちゃんと見直すことが重要なんですよ……!」
さてはこの人……優しさは感じるけれど、ダメかもしれない。
なにせ、朝散歩やらノーカフェインやら、すでに調べ尽くしてやりまくっていることばかりなのである。
前のドクターはうつ病決め付けドクターだったけど今回のドクターは無知不眠決め付けドクターなのか……。
そう思ったところで、改めて心が決まった。
マジで今回を最後のオンライン診察にして、次からは絶対にオフライン対面診察にする……!
「では、ミルタザピンとベルソムラを処方します」
「はい」
「でもお薬に頼り過ぎず、生活習慣を見直してくださいね」
「はい」
「それでは……」
「はい、ありがとうございました」
ラストオンライン診察はこうして終わった。
通話終了後、私は爆速で診断書取り寄せの申請をして、爆速で駅チカ精神科に電話をかけた。
予約はすぐに取れた。
十日後に診察予定は決まり、私は初めての対面診察に向かうこととなった。
そして出会った。
なんだかニヒルな精神科医のT先生は、今現在もお世話になっているドクターである。
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