一夏に渡り詠み続けられた短歌集。
理容室の歌など生活が見えるものから、ジェネリックなど物語が広がりそうなものまでバリエーション豊富で面白かったです。
星新一や村上春樹などを読まれる読書家の作者さま。なんとなく短歌でもその風合いは感じられる気がします。
印象深かった短歌(主観です)
「短歌すら 消費してゆく 世の中を 歌にするきみ 消費するぼく」
短歌にはその人の人生が織り込まれてるけど、SNSで見るぶんには、右から左へ1秒で消費。それでもきみからぼくへ心は伝達する。
「電撃の 一次選考 悲喜こもごも 我は関せず 少しさみしい」
応募しないのは精神衛生上、無敵。
「地球では 口数少ない きみだけど 宇宙に行けば ふえるものかな」
きっと空ばかり見てる人なんだろう。それとも喧嘩してしまったのだろうか。
夏の季語はないけど、なぜか夏を感じさせる。