二目惚れ

NiK

ep.1 ただの友達

その夜はただただ苦しかった。

この行き場のない思いをどうすればいいのかわからなかった。


最初は嫉妬してた。

誰からも愛されるような、純粋で綺麗な目をした、あの子に。


それでも、その笑顔に、私は射貫かれた。

まっすぐで、素直で、愛おしくさえ思えるほどに。


愛おしく思う自分が嫌だ。


好きになるのは悪いことじゃない、分かっているはずなのに否定してしまう自分が嫌で


口先では恋はするもんだと語っておきながら、結局否定するのは自分自身で


そんな矛盾に苦しんで、叶わない恋に苦しんで。


苦しむくらいなら叶わなくていい。

そう思っているはずなのにどんどん好きになっていく。


どこまでも自分勝手な自分が嫌いだ。

どこまでも口先だけの自分が嫌いだ。


ただの友達で、ただの同級生。

その関係で満足できずにまた、腐っていく。


だから心の中でだけは、せめてハッピーエンドであってほしい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

二目惚れ NiK @desa_fi05

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ