第四話・異世界の百合属性女たちを……逆召喚で百合島に転移させる〔二人目・三人目……百合人魚と百合ケンタウロス〕

 百合エルフと姫騎士の、百合交わりが終了すると異世界トンネルの所員が言った。

「それじゃあ、二人目というか、二匹目というか二体目の異世界百合を召喚転移させますね……上手くやらないと海水が流れ込んでくるかも知れません」


 異世界トンネルが、また回転をはじめて。

 稲妻と霧の中に蠢く物体と磯の香りが漂ってきた。

「あんッ……あんッ」

 女性の奇妙な喘ぐ声が聞こえ、霧が晴れるとビキッビキッとヒレ尾を動かしている、仰向けの人魚が現れた。

「はふぅぅ」

 海水を飛ばして喘いでいる人魚を見て、所員の一人が隣の所員に小声で話しかける。

「あの手の位置って……独りで気持ちいいコトやっている時の、手の位置だよね」


 悶えていた百合人魚は、気づいたように周囲を見回す。

「アレっ? あたし磯場の岩の上で仰向けになって、いけないコトを……あっ、姫騎士!」

 胸にヒトデをくっつけた百合人魚は、跳ねるように姫騎士に近づくと床に姫騎士を押し倒した。

「久しぶりぃ、寂しかったよう……んんっ」

 百合人魚も、姫騎士と唇を重ねて再会百合を楽しむ。


  ◇◇◇◇◇◇


 百合人魚と姫騎士の百合の交わりが終ると、異世界トンネルの担当責任者が言った。

「三人目と言うか、三頭目の異世界百合を召喚転移するよ……この一体を召喚転移させたら、別のグループがトンネルの配線を入れ替えて、別の空間トンネルで利用するって言うから」


 三回目の異世界トンネルが稼働する、互い違いに回転する異世界トンネルに稲妻が走り霧が漂う。

 霧の中に馬の馬体が見えた。

 霧が晴れるとそこに、矢をつがえた弓を持った女の、百合ケンタウロスが立っていた。

 乳房をあらわにした、百合ケンタウルスが放った矢が施設の壁に突き刺さる。

 女ケンタウルスが、不思議そうに口調で言った。

「あれっ? オレ、森で鹿を狙っていたのに? あっ、姫騎士じゃないか?」

 トンネルから出てきた、百合ケンタウルスは姫騎士に近づく。

 馬身長が高いから、姫騎士は立った百合ケンタウルスを見上げる形になる。


 百合ケンタウルスが言った。

「また、オレに乗って流鏑馬やぶさめやろうな……とりあえず、胸を触ってくれ疼いているんだ」

 姫騎士は百合ケンタウルスの胸に触れた。


 百合エルフの戦士、百合人魚、百合ケンタウルスの三名が、こうして百合島2に異世界から呼び寄せられた。

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