第三話・異世界の百合属性女たちを……逆召喚で百合島に転移させる〔一人目……百合戦士〕
元男の百合洗脳も完了して、注射器で投与した目覚めさせる薬で意識を取り戻したTS百合は、個室の病室に移された。
ベッドに入院着姿で上体を起こした、刑事のTS百合は病室に入って来た湯琉 ユリをボウッとした目で見た。
ユリは診察と称して、女になった刑事の胸を揉む。
刑事もされるがままに、ユリに胸を揉ませている。
ユリが言った。
「ちゃんと、定位置に収まっているわーっ、あなた自分が誰かわかるーっ」
元男刑事の女性は、自分の頭を押さえて首を横に振る。
「わからない……記憶が無い……あたしは誰なんだ?」
ユリは、TS化した男が自分のコトを無意識に『あたし』と言ったコトに内心、微笑む。
「よしよし、何も不安がるコトはないからね……名前は覚えているかなーっ?」
「名前……わからない」
「名前が無いと不安よねぇ」
ユリは処分したデイパックの中に入っていた名刺から、TS化した刑事の新しい名前を決めた。
「えーと、あなたの名前は今日から『
「あたしの名前は、マツリ? 百合女子?」
「だからぁ、こんなコトをしても平気」
そう言うとユリは、マツリの胸を揉みながら唇を重ねた。
「んんっ……んぁ」
「はぁ……んッ」
マツリもユリの胸を揉み、舌を絡める……二人が唇を離すと、唾液の架け橋ができていた。
ユリが、マツリに言った。
「あなたの才能を見込んで、マツリにはあたしの直属の助手になって、いろいろと助けてほしいのぅ……過去の記憶を失っていても、マツリには凄いスキルがあるから……推理力とか」
「あたしの、スキルですか? よくわからないですけれど……力になれれば」
その時──病室のドアを開けて、姫騎士が入って来て言った。
「
「次元転移班が? なにかしらぁ?」
ユリが、異世界から転移させられた姫騎士と一緒に次元転移班のところに行くと、責任者の百合女子が親指を立てて言った。
「やりぃぃ……ついに、異世界から自由に異世界百合を呼び寄せるコトができる、異世界トンネルが完成した」
責任者の背後には、ゆっくりと分割回転するトンネル機械があった。
それを見て、姫騎士が呟く。
「やっと、完璧な異世界トンネルが完成したか……わたしが、呼び寄せられた時は、試験段階で連続では呼び寄せられなかったが」
異世界トンネルの責任者がユリに言った。
「一応、総責任者の承諾を得てから異世界から転移させようと思って……一回の機械稼動で呼び寄せられる異世界百合は三名まで、三時間後にまた三人の召喚というか転移が可能です」
「許可するわぁ……で、誰を逆転移させるのーっ」
「それは、姫騎士さんの意見を聞いて決めないと……異世界で求める百合はいますか?」
姫騎士は少し考えて、三名の名前を挙げた。
異世界トンネルの責任者が親指を立てる。
「了解、その三名を追跡して、ロックオンします」
異世界トンネルの所員たちが、忙しく動く。
異世界の地図が3Dで現れ、ポツポツと赤い三つの点が地図上にに現れた。
一つの光点は町の中に、二つ目の点は海の浜辺に、最後の三つ目の光点は森の中に現れた。
「ターゲット確認……ロックオン、一人目の百合を転移させます」
異世界トンネルの回転が早まり、稲光みたいな光りがトンネルを走り、白い霧にトンネル内が待たされていく。
「来ます! 異世界の百合が!」
トンネル内に蠢く人陰が現れ、霧が晴れるとうつ伏せに寝そべった裸の女が現れた。
裸の異世界女は、気づいていない様子で誰かを、抱いているような仕草を続けている。
現れた裸の女を見て、所員の一人が近くの同僚に囁く。
「エルフの戦士だ……剣と衣服も一緒に移転された」
エルフ戦士は、異変に気づいて上体を起こして周囲を見回して言った。
「ここどこ? あたし、さっまで宿屋の二階で町で拾ってきた娘と、気持ちいいコトを……あっ」
異世界から逆召喚された、エルフ戦士は姫騎士を見た途端、裸のまま近くにあった戦士の剣を鞘ごと持って、姫騎士に向かって走り出した。
「姫騎士! いきなり消えて今まで何していたのよ!」
激しくぶつかり合う剣と剣。
二人は間合いを取って飛び離れる。
剣を鞘に収めたエルフ戦士が、泣きそうな顔で言った。
「あと少しで魔王城に到着ってところで、トイレに行くって言って茂みに入って消えて」
「すまない……オシッコをしている最中に、召喚転移させられた……もう、どこにも行かない」
互いをライバルと認めた二人は、剣を交わらせるコトで興奮して、百合的行為に発展する特殊な性癖があった。
姫騎士と裸のエルフ戦士が抱擁して、百合キスをする。
「んんっ……姫……好き」
「んはぁ……エルフ……んんんッ」
濃厚な百合の交わりに、ユリと一緒にいたマツリは赤面した。
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