• マイページ
  • 小説を探す
  • ネクスト
  • 書籍化作品
KADOKAWA Group
  • ログイン
  • 新規登録(無料)
今、おわりのはじまりの刻がきた。

今、おわりのはじまりの刻がきた。

ネコの額ほど度量が狭い

おすすめレビュー

★で称える
★★★
★9
3人が評価しました
本文あり
日付が新しい順

本文ありのおすすめレビュー

  • 悠鬼よう子
    1113件の
    レビューを投稿
    ★★★ Excellent!!!

    彗星が迫る夜、海底の都市で始まる運命の逃走劇

     どこまでも深く潜る物語だと思いました。「帝」という名の海底都市の重苦しさに、最初は息が詰まりそうになるのに、不思議と目が離せなくなるのです。赤字の何でも屋カイン、紅い毒巫女ミランダ、そして仲間たち──誰もがそれぞれの哀しみや矛盾を抱えつつ、夜の街や牢獄、白亜の塔を進む姿に、ふと「自分もそこにいるのでは」と錯覚してしまいます。

     中でも、機械にしがみつくキレモア教主の姿と言葉「世界の滅亡はまだ早すぎる」は胸を刺しました。生きることへの執着と、滅びゆくものへの祈り。その狭間で、彼らが何を選ぶのか、続きを読まずにはいられません。

     独裁、予知、逃避、再会……あらゆる要素が見事に絡み合い、読後もしばらく心に残り続ける物語です。

    • 2025年7月11日 12:03