第44話 破局

 画像は故意に流出されたものだと判明したあとも、みのりに対する不信感は根強く残っていた。いろいろな異性から告白されるタイプであるため、浮気する十分条件を満たしている。


「みのりさん・・・・・・」


「無理に交際しても、なにもいいことはないよね。いったん、距離を置こうよ」


 みのりの瞳から流れる大粒の涙。演技などではなく、本気であることは伝わってくる。


「私はずっと待ち続けているよ」


 人間の心は光を凌駕するスピードで、どこかに飛んでいく。一週間もたたないうちに、忘れてしまうと予想した。


 みのりは要件を伝えると、早い足取りで教室からいなくなった。

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