第24話 みのりさんが告白されている?
二度目のお遊び会は、特段変わったことはなかった。変人は見どころを作ることができずじまいで終わった。
三度目のお誘いをしようかなと思っていると、みのりは他の男子と二人きりになっていた。
「みのりさん、大好きです。交際してください」
みのりは間髪入れず、男の告白に断りを入れた。
「私には大好きな男性がいますので、希望に沿うことはできません。ごめんなさい・・・・・・」
みのりを見ていると、高校時代の初恋の相手と似ている。年齢も同じであることから、中身だけを入れ替えたのかな。
「交際が無理ならば、お友達から始めませんか」
好きな異性がいるといわれたのに、友達から始めようとする男。みのりに夢中になるあまり、勝算がないことを忘れてしまっている。
「ごめんなさい。それもできません・・・・・・」
告白される人数が多くなればなるほど、変質者と遭遇しやすくなる。一方的に好かれるのは、嫌われる以上に面倒なのかなと思った。
みのりは告白を断ったあと、こちらにやってきた。
「無口君、さっきのやり取りを聞いていたみたいだね」
「うん。しっかりと聞いていた」
みのりは情緒が落ち着いていないのか、鼻息に粗さがみられる。
「本気で好きになれる人以外は、交際するつもりなんてないよ。友達としてもNGを貫いていく」
告白される人数が多いほど、ライバルは増えていく。静かに過ごしたいタイプに、マッチングしているとはいいがたい。
「無口君は告白されたことはないの?」
「まったくないけど・・・・・・」
他人を完全シャットアウトする男に、好きと伝えてくる相手は0。あと50年生きたとしても、状況は変わることはないはずだ。
「そうなんだ。よ・・・・・・」
「よ・・・・・・」
みのりは目をそらした。
「な、なんでもないよ。すぐに忘れてくれると嬉しいんだけど・・・・・・」
みのりはこれまでで一番、取り乱した様子を見せている。不器用すぎる男は、何を意図しているのかよくわからなかった。
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