「大流星雨の夜」から始まる本作は、
冒頭からどこかダークファンタジーのような雰囲気がありつつ、
豊かな色彩と表現で、幕を開けます。
王道的な冒険譚の中で、
冷静で寡黙な剣士・アロウ、
自由奔放な魔法使いのリル、
優しさと責任感を併せ持つ先生・アリシアといった
それぞれ魅力的なキャラクターたちが物語を動かしていきます。
詩的でやさしい語り口と、
キャラクター同士の軽快なやり取りのバランスも心地良いです。
読んでいて、「いいファンタジーだな」と素直に思える一作です。
作品全体の雰囲気の作り方や、落ち着いた筆致から、
作者さんの手堅さも感じられました。
流星の正体も含め、先を期待したい作品です!