第2話 出会い

次に目を覚ましたとき、夕日が差し込んでいて、空が赤く染まっていた。

目の前には見知らぬ男の子が座っていて、私の顔をのぞきこんでいた。


「やっと起きたね死んだかと思った」


「だ、誰?」



そこにはすごく綺麗な顔立ちをした2、3歳年下くらいの男の子がいた



「酒井満桜(さかいまお)あっちの病院に入院してる。君は?」



あっちの病院は確か重度の患者が入院してるところだっけ。私の方の病院で直せない時に向こうに移されるとかないとか、



「リナ……柳田リナ」


「ふーん。リナって名前いいね」


「なにそれ。今、寝てた……?」


「うん。倒れてるっぽくて、声かけようか迷ったんだけど、寝顔がわりと無防備だったから放置してた」


「失礼だな……」


小さくそう言い返すと、満桜は笑っていた



「てか待って今何時!?」


「4時半だけど、結構やばいんじゃないの?」


まずいここで2時間気を失ってたんだ、、、!!


「ちょ、帰るわ!」


「俺、毎日ここ来てるからさ。また見かけたら声かけるな!」


「勝手に来て勝手に話しかけて、勝手に去るんだね」


「まぁいいじゃんリーナちゃん!ばいばーい」


そう言って笑った顔には、深くて小さなえくぼができていた。


その日はそれで終わった。

私は病院に戻った瞬間、看護師と先生にめちゃくちゃ怒られた。

何かあったらどうするんだ、手術してからまだ傷口もちゃんと塞がってないって。

私は――初めて、心の底から泣いた。


生きてるってことが、少しだけありがたく感じた。

泣きながら、胸の奥が少しだけ軽くなるのを感じた。

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