第2話 おまけ

病室で目覚めた俺の視界に、担当医と思われる医者が入り込んできた


「目が覚めたようですね?」


医者はそう俺に聞くと、何かを思案するようにベッドの周りを歩き出した


「ええ、ええ、わかってます、あなたが一体どのくらい気絶していたかですね?

 いいですか?落ち着いて聞いてください。あなたの気絶していた時間は…」


「時間は?」


「9分です」


は?


「なので、脳検査などで1日過ごしていただき、退院手続きに入りたいと思います。もう大丈夫ですよ。それでは何かありましたらナースコールを…」


医者はそういうと、ナースを連れて病室を後にした


ああ、まぁ、普通だったわ


俺は夢(?)の中で体験した話をモバイル端末に書いて投稿すると、そのまま病室生活を満喫し、親の迎えで退院した


気絶した理由だが、自転車での下校中に夫婦喧嘩をしていた家の窓から飛んできた「ちくわ」が顔面に当たり、その衝撃で側溝に自転車ごと落ちたのが原因だと聞いた


後日その夫婦は謝りに来ていた


ボディービルダーの夫婦だった


当たったのが「鉄アレイ」じゃなくてよかったと医者は笑っていた


冗談じゃないな


一方、被害者の俺だが

入院中に美人のアサシンが病室に現れなかったことだけが残念だと思った


ゲームのやりすぎだな…反省しとく


またいつか「あの世界」に呼ばれる時が来るかもしれないが


それはまた、別の物語…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

勇者の剣になった話 首謀S・R! @syubouSR

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ