異国の空気が感じられる文章が好きで、中でも食を題材としたものが好きなので、本作を読むのは大変楽しい時間でした。
英国ごはんについては諸説ありますが、本作に出てくる食べ物はどれも美味しそうで、パンやチーズを買いに行きたくなります。
特に、お米を求めて奔走される場面や、芋や小麦粉との距離感が日本とは違っていて面白かったです。
キッチンの様子やスーパーの話なども興味深く、日本と変わらないところもあったりして、英国を身近に感じました。
軽やかでコミカルな文体で、スイスイ読めてしまいました。
美味しい紅茶をたっぷり用意して、のんびりまったり、楽しめるエッセイです!
エスニックジョークでの定番。イギリスの飯はまずい。その手のうんざりする話題から一線を画した、作者様の在英生活での食生活、日本の食材や食べ物の違いが淡々と描かれたエッセイです。
そこが面白く、お勧めのポイントです。
イギリスのスーパーマーケットで買い物をしたり食事を作った経験を思い出し、懐かしい気持ちになりました。
あの「イギリスの食事は不味い」はあの国の一側面にすぎないと、そこで暮らした方の目で語られている素晴らしい在英記だと思います。
イギリスに行かず、うっすらと全部不味いんでしょ?という偏見を抱いている方はぜひこのエッセイを読んでいただきたいと思います。
(全部が美味しいとは言いませんし、この後そういう話が出てきても驚きませんが、イギリスの食事、世間の評判よりも美味しいと思います)