第41話


他の街に着いてから、絶望を味わった様な瞳の奴に出会った。


ソイツを拾い【永遠とわ】と名をつけた。


3人で、色んな街を旅し、辿り着いたのは、丘の上にある洋館。


住んでいたのは、婆さんが1人。


催眠術をかけ、記憶を書き換えた。


そして、白い洋館と土地を手に入れた俺。


婆さんは、俺が想像出来ないくらいの財産を持っていた。


数年後、身内のいない婆さんが亡くなった。


老死。


その遺体を、庭に埋めた。


それから、曼珠沙華の球根を、幾つも、庭に植えた。


赤い瞳の人間は、死を意味するはずだった。


だが、俺は生きている。


なら、記憶を消すだけ。


唯一の生き証人である少女の。


なのに、少女が成長する度に、自分の中に芽生え感情。


俺らしくもない。


そう思いながら、少女が眠ると、部屋に行き、記憶を消す作業をした。


もちろん、永遠の記憶を消す作業をする。


刺繍を趣味としていた婆さん。


白い洋館の奥にある婆さんが使っていた部屋には、沢山の刺繍の糸があった。


それを、少女に教えた。


死ねると思っていたが、少女が成長する度、その気持ちがブレる。


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