第21話


暗闇の中、膝を抱えて、座っているのは……?



遠い記憶の中にあるのは……?



……頭の中に浮かぶのは、真っ赤な曼珠沙華……?



それとも、真っ赤な血の色……?



唯一、覚えているのは、白に近い金色の髪の琥珀。



確か、あれは……?



頭の中の疑問は、全て琥珀に繋がっているの?



なら、私は琥珀の何……?



兄妹の関係じゃないはず……?




「君の名前は……」



琥珀の声が聞こえ、瞼を開ければ、見慣れた天井が広がっていた。



さっきまで、頭の中に浮かんでいたものは全て……夢……?



夢なのか、現実なのか、それとも全てが幻なのか……分からなくなる。


生きているのに、まるで屍の様に思えてしまう。


誰かと会話する事もない。


ましてや、琥珀や永遠とも会話はしない。


なのに何も分かっていない。と言う琥珀が、何を考えているのか分かる訳がない。


このまま、何も分からずに、ただ淡々と生きる私は………何?


ベッドから出ようとして、腕に点滴の針が刺してあるのが分かり、立ち上がらずに、ベッドサイドに腰掛ける。


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