第43話 待遇
「どうだいハデル、私、なにかいつもと違うと思わないかい?」
「どこか、違うん……うん!? ですか?」
何故だろう。
……ライトがなんだか、女っぽく感じる。
「クスッ、どうしたのかな? ハデル、顏が赤いよ」
今日の……ライトは胸が広く開いた白いシャツに黒のズボン。
だけど、何故だか男装の麗人のように女っぽい。
気のせいか胸も大きく見える。
きっと僕を揶揄う為になにかしているのかな?
それとも、なにかあるのか……正直に答えた方が良いだろう。
「あの、ライトがなんとなく、男性でなく女性に見えるのですが」
「クスっ実は私は……」
トントントン
いつもの様にライトに揶揄われながら家事をしていると玄関ドアがノックされた。
「ライトすみません。お客様みたいです」
「あっ……」
ライトにことわり玄関に向かった。
ドアを開けると、え~と司祭様?と聖騎士。
司祭服の初老の男性と聖騎士が2名立っていた。
「いやぁ、貴方がハデル様ですね。教皇様から荷物を預かってきております。お見せする物もありますので上がらせて貰って構いませんか?」
「え~と」
一応パーティメンバーと認めて貰っているけど勝手に上がらせるのは不味いよな。
「構わないよ! 私も同席しようじゃないか」
ちなみにリメル達、他の三人はまだ寝ている。
「それじゃ、こちらへどうぞ!」
僕は司祭様と聖騎士をリビングへと通した。
◆◆◆
座って貰い紅茶を出した。
何故か聖騎士の方たちが動きがぎこちない気がする。
「それで、教皇様から何をお預かりになったのですか」
「私はこの街で司祭をしておりますギトーと申します。まずはこちらをご覧ください」
そう言って差し出された通信水晶を覗くと……
マザーテージー!?
『ハデル、お久しぶりです! 勇者パーティでの活躍、頑張っていますね。貴方のおかげで施設の皆がホーリーライトシェルターに入る事ができました。本当にありがとう』
『そんな……』
マザーテージーの周りに僕にとって弟や妹みたいな施設の子達がいる。
後ろに見上げるような大きな教会やら建物がある。
ホーリースターとは全然違う。
しかも、皆が、草臥れた服じゃない新品の服を着ている。
『ハデルのお兄ちゃんありがとう! ここね大きな食堂があってご飯が食べ放題なの!』
『ウルカは食いしん坊だから、そうか、良かったね』
『兄ちゃ、ここね図書館があってご本を幾らでも読んでいいんだって』
『うんうん、アルは本を読むのが好きだったもんな』
施設の子供たちが皆笑顔で過ごしている。
『通信水晶は貴重なのよ……皆でハデルにお礼を言いなさい』
『『『『『ハデルお兄ちゃん! ありがとう』』』』』
『うん、良かった……本当に良かったね』
『それじゃ、ハデル、貴方のおかげで私達は幸せに暮らしてますから、貴方も体に気をつけて頑張ってね』
そこで通信水晶の映像は切れた。
通信水晶は貴重品だから、滅多な事じゃ使わせて貰えない。
それを態々使わせてくれるなんて、凄くありがたい。
「司祭様、ありがとうございます」
「私はただお届けしただけですよ! すべて教皇様が自ら動いて行われた事です。 私も親がいなくてホーリーライトシェルターの出身でしてな。あそこの施設は世界一と言っても過言じゃありません。 いつでも食べれるブッフェ式の食堂に24時間入れる図書館。進路次第では併設された学園にも入れます。更に大浴場に個人の個室までありますから……下手なホテルより余程良い暮らしが保証されます」
「本当に素晴らしいですね。だけど、本当に良かったのですか?」
「はい、教皇様はハデル様にそれだけ期待している。そう言う事ですよ。 あと、これを……」
そう言って黒いカードと通信水晶を差し出してきた。
「これは?」
「黒いカードはブラックカードです。 ハデル様に今後お金は支払われません」
「えっ」
「ああっ誤解なさらないで下さい。 ブラックカードを冒険者ギルドでも商業ギルドに持ち込めば好きなだけお金が貰えます。 また、そのカードで買えない物はありません」
そう言えばリメルが使っていた。
「そんな物を僕が持って良いんでしょうか?」
「いいんです! 勇者パーティなのですから、そのカードはそれだけじゃありません。貴族に見せれば、騎士も魔法使いも貸して貰えますし、いつでも当主に会えてご助力頂けます」
「あの……それでこちらの水晶はなんですか?」
「それは中央教会に繋がる、通信水晶です。 そちらを使えば十大司教や教皇様にいつでも連絡が可能です」
「あの……本当に良いんでしょうか?」
「はい、いいんです! ハデル様は勇者パーティ5人目のメンバーですから、ちなみにもう『勇者保護法』の中にいる存在です」
「勇者保護法?」
「はい、一夫多妻も含み、沢山の特典もあります。詳しくはライト様からお聞きください。
その後、お茶を飲み歓談をしギトー司祭たちは去っていった。
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