第44話 仲間
ギトー司祭たちが去ったあと、僕はライトに引っ張られ、ライトの部屋へと来た。
「あの……ライト様、いえ、ライト僕になにか用があるんですか?」
「さっき言おうと思っていたんだけど、私は男性じゃないんだ」
「もしかして、さっきの揶揄いの続きですか? 余り僕を揶揄わないで下さいぉ」
一体、ライトは僕を揶揄って何をしたいんだろう?
「いや、今日は揶揄っているんじゃないんだ……私には秘密があってね。見せた方が早いね」
そう言うとライトはボタンを外しシャツを脱ぎだしだ。
胸に、嘘だろう……ブラジャーをしている。
「え~と……女装ですか? 大丈夫ですよ。僕は誰にも言いませんから」
そうか、だからライトの部屋を掃除した時女性物の下着があったんだ。
まぁ、人それぞれ、色々な趣味がある。
勇者が女装しちゃいけないなんて法律ないもんな。
「違う!」
「あっ、そうですか? ライトは女性の使用済み下着を集めるのが好きなんですね」
明らかにライトの部屋にあった女性物の下着は『使用済み』だった。
勇者ってストレスが溜まるから、仕方ないのかも知れない。
「違うってっ! ハデルにはやはり見せないと駄目なようだなっ! 少し恥ずかしいけど、見ると良い!」
「えっ……ええーーっ」
どう見ても綺麗な形の女性の胸がある。
「……あのどう言う事ですか?」
「私は、女でもあるし男でもあるんだ」
「え~と、そうだライトのお姉さんか妹ですね。騙そうったってバレバレです。 一緒にお風呂に入ったんですからね。あの時は間違いなく男の胸でした」
「だから、違うって! 態々揶揄う為に妹や姉に裸を見せるように頼む馬鹿が何処にいると言うんだ……良いかい私は……」
ライトから話を聞くとライトは本当に、女でもあるし男でもある。
そういう存在だった。
「施設で両性具有、いわゆるふたなりの子は見た事がありますが、日によって性別が変わるのですか?」
「まぁね、天使は性別が無いって聞いた事が無い?」
「確か、女神や神を除く高等な存在は性別が無い。そういう話を聞いた事があります」
「うんうん、それ! 女神に愛された勇者の場合は稀に天使に近く、同じように性別が無くなる。そうらしいんだよね。私の場合がまさにそれなんだ」
「そうですか? だから部屋に男女の下着があったんですね」
「あはははっ、そうだね。両方とも私のだね」
「そうだったんですね。てっきり女を連れ込んでいるのだと思っていました」
「まぁ、そう取られても仕方ないかな?」
「誤解してすみませんでした」
「いやいや、あの状況じゃ仕方ないよね」
「そうですね。それでどうしてそれを教えてくれたのですか?」
「ハデル、君も正式にうちのメンバーになったのだから、隠し事は無しにしようと思ったんだ。それでね、私の恋愛対象は男と女。どっちだと思う?」
どっちなんだろう?
「男の時は女、女の時は男とかですか?」
「そうじゃないよ! そんなにコロコロ変わったら別人格じゃないかな」
「確かに」
「そうだろう? 私の恋愛対象は『男』だよ」
「そう、何ですね! だから、勇者パーティは美少女揃いなのに誰ともつき合ってないんですね」
「そう言う事……!? あのハデルにとってリメルやリリア、マリアンヌは美少女になるんだ」
「皆さん、凄く綺麗ですよ! 巷でも評判です」
「そう?! それで、ハデルから見て私はどうだい? 美少女になるのかな?」
「そうですね、男装の麗人って感じですかね。 美少女というよりは美人さんですかね」
「そうかい。それでハデルは四人の中で誰が……」
「あっ、ライトにハデル此処にいたんだ。僕お腹がすいたから朝食作って欲しいな」
「お姉ちゃんはパンケーキとスクランブルエッグが食べたい」
「私は、お任せで構わないわ」
リビングに三人が入ってきた。
「チッ、また邪魔が……まぁいいや。報告するよ。ハデルが今日から正式に勇者パーティに入ったからね。今迄通り仲良くしてあげてね」
「ハデルが正式にパーティメンバーに? やったじゃんハデル」
「ハデル、おめでとう。お姉ちゃんも嬉しいよ」
「これで本当の意味で仲間ですね。宜しくねハデル」
「宜しくお願い致します」
僕がする事は何も変わらない。
これまで通り、四人を守る。
それだけだ。
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