海に散る花
水泰惺
海に散る花
葉桜の散りゆく様のうたかたに 軽々しくも口ずさむうた
夏風のゆがむ陽炎 思い人 向かう道にも揺れる影かな
黄昏の浮かぶ空にも薄雲が 宵影おちて消えゆく灯り
逝く君よ 細い組む手に花を差す 船の向かうを照らす灯として
さよならを重ねし声のこだましく 石垣ぬれて夕日こぼるる
月夜道 行き交う人の姿みて 生のあわいを儚く覚ゆ
花ひとつ こころの内をあけもせず いまさら悔いる我が身のをかし
夜の海 凪ぐ汐風の静けさに ももの花もて波間に流す
ひとはみな最期に待つは彼岸花 星の海みて君は漕ぎゆく
残り火を 君の手によりともしけり そう想いして生きてあれかし
海に散る花 水泰惺 @shuitaisheng2
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