「おもいたったら、すぐうたいます」という潔いコンセプトの通り、この詩集は一貫したテーマを持たず、思いついた瞬間の言葉をそのまま並べていく自由さで構成されている。「死神の手」のようなゾッとする一篇と、「わし、サンタクロースじゃけど」のような奔放なユーモアが同じ器の中に並んでいる、その振れ幅の大きさがこの詩集の特異な魅力だ。
レビューで触れられている「怜悧で温かく残酷で、面白い」という評が、まさにこの作品の核心を突いている。子どもの周囲に潜む何か階段の上から呼ばれる感覚のような、説明のつかない予兆を扱う詩篇は、櫻恭史郎の短編ホラーに通じる不気味さの種を感じさせる。
長編の「ラッパッパのパ」や子ども探偵ものの合間に、こんな詩的な実験も重ねている著者の振り幅の広さに、改めて感心した。