読み終えた後、「心当たり」がいくつも浮かんできました。
主人公の名前は「あああああああ」。わかる人にはそれだけで、ピンと来てしまう名前です。
そうか。愛されていなかったんだな。期待されていなかったんだな。そうやって生まれてきてしまったのか。
ゲームの中のキャラクター。その中の「仲間モンスター」として生まれた存在。
でも、「お気に入り」のキャラクターになることはできず、その先も「育成」をされるような見込みもない。だからプレイヤーが付ける名前も「あ」を連打しただけの適当なものになっている。
でも、可哀想なのはこの主人公だけではなかった。
ゲームの中の存在にもしも心があったら。彼らにとっての幸せは、どうやったらもたらされるのか。
そしてもしも、ゲームのプレイヤーがそれを「放置」してしまったら。
記憶がめまぐるしく掘り返されてしまいました。自分もこの「プレイヤー」と同じことをやっていなかったか。ちゃんと最後まで面倒を見てあげてないゲームが、手元になかったか。
ニンテンドー3DSにダウンロードした「ファミコン探偵クラブ 消えた後継者」。そう言えば序盤を触っただけで一年近くやってない……。
リメイク版の「ファイナルファンタジーⅣ」、水のカイナッツォの直前辺りでもう十年以上放置してる(ストーリー繋がらないから一からやり直そう)。
そしてキャラ名。「ドラゴンクエストⅢ」も勇者たちの名前を「ココア」、「リゼ」、「シャロ」、「ちや」とかイタい名前つけて本当にごめん。それに倒されたゾーマもさぞかし無念だっただろう……。
もっと、ゲームのキャラを大事にしなければいけない。根気よく最後まで遊んであげよう。そう思わされる一作でした。