まさに「狂気猫」。強烈な狂気を内包した一作です。「序・破・急」の流れで展開されるストーリーは、まるで畳み掛けるようで、息をつく暇を与えない。「気が狂った人間」の視点から見ると、「正常」な人間こそ狂っている――そうした主観性の問題に鋭く切り込まれると同時に、恐怖の渦に巻き込まれます。クトゥルー好きとしては、作中にあらわれる「土星猫」という存在が気になります。そして、最後の一文――その一撃のような締めくくりにゾワワ。戦慄しました。
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