第11話 おしまいに
「……以上をもちまして、銃種別性能のブリーフィングを完了いたします」
「戦場における“正しい銃の選択”とは、威力の高い武器を持つことではありません。
それは“任務と状況に、もっとも噛み合う選択をすること”です」
「たとえば、軽快に動き回る陽動班がヘビーマシンガンを携えれば、機動を殺し、全滅のリスクを背負います。
反対に、拠点防衛でアサルトライフルのみで臨めば、重装目標に打つ手がなくなるでしょう」
「武器とは、力であると同時に、制約でもある。
“重い武器を持つ”とは、それだけで、背負うべき責任も増えるのです」
「貴方が選ぶべきは、“自分が活きるための一挺”。
数値や火力に惑わされるのではなく、“何を倒すために持つのか”“誰を守るために撃つのか”を忘れないでください」
「それは最前線に立つ者も、支援射撃を担う者も、同じです。
そしてその“意志ある選択”が、最終的に——戦局を変え、生き残る者を決めるのです」
「……私は、支援の位置から戦場を見守る者です。
けれど、“どの銃が最も強いか”ではなく、“どの銃で誰を生かせるか”を考えるよう、皆様にお伝えしたかったのです」
「銃に優劣はありません。使い手に、意味があるだけです」
「これをもって、銃種解説ブリーフィングを終了とさせていただきます。
皆様のご武運を、心よりお祈りいたします」
「……後方狙撃支援部隊第六所属、ハーロー。
状況に応じ、またの要請があれば随時対応いたします。ご安全に」
——通信は静かに途切れる。
ハーローちゃんによる銃種講座 ほてぽて @hotepote
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます