思い出してはいけなかったのだ、〈六人目〉のことを。

ある日突然現れた、顔のない彼女。
何者かもわからないその存在は、しかし本能的に危険なものであるということだけがビリビリと伝わってきます。
そして、彼女の存在が、名前も思い出せないかつての友人……「六人目」であることに気付いた途端、開けてはならないパンドラの箱が開かれます。

いやもう、読み進めるたびに、先が気になって仕方がなく、ついついと続きの話を読まされるんですよね。
ホラーミステリー特有の「恐怖の根源の謎」を追っていく感覚も実に良いですし、一方でホラー描写もガッツリで、ぞわっとします。
突然差し込まれた謎の変態の話も、読み進めるうちに意外な形で合流したりと、かなり話が練り込まれているのが感じられるのも実に深いです。

……ところで、キックの人は結局何なんですかね?

ホラーミステリーが好きな方には、是非ともお勧めしたい作品です。

その他のおすすめレビュー

お仕事中の情シスさんの他のおすすめレビュー633