本編第1話~
第1話
ここは、世界中心国家にある、ミスラーン王国・ミストの村。
特産物は、トマトを使用した、トマトワインやトマト料理が名物となっている村であり、1000年以上前、太陽神ミスラーンと暗黒神アスラーンがこの地に生まれ、村の南にある、ライティード・ダークネルスの森には、二体の像があると伝えられている。
「おーい!起きろ!」
水色の髪を後ろに束ねながら、青色の目のした少女は、村外れに住む幼馴染みである、リュートをいつものように起こしに来るなり言ったのだ。
「もうちょっと寝かせてくれ」
昨日はロンと遅くまで剣技の特訓していたんだからと言わんばかりに起こしに来た少女を無視するかの如くで、返したのである。
「そう?起きないんだ。やっちゃおうかな」
やっと出来るようになったばかりの魔法をやっちゃおうかなと少女は言いながら、詠唱を始めたのだ。
≪我、ここに青の書を開く…青の玉≫
「あ、アレ?なんで?昨日は上手く出来たのに…!」
光が分裂するだけで、少女の魔法は不発に終わってしまった。
「もう一度!青の玉!青の玉!青の玉!青の玉!青の玉!青の…」
うー…なんでだよー!成功したってのに!なんでー!
少女は、ひたすらにうんともすんともしない青魔法を何度も唱えるが、全て不発であった。
「…それを言うならば、“青の球”だろう。アネット」
「そ、そうだった。って魔法なんて使えないリュート君に言われたくないね!」
「別にそれは俺の勝手だろう。魔法なんて紛い物に過ぎないし。というか…家に勝手に入るなといつも言っているだろ。アネット」
「な、何よ!今日は何の日か忘れちゃったの!?リュート」
「ん?今日?今日は成人の儀式の日だろ」
「そう。成人の儀式の日だから起こしに来たんだよ」
いっつもリュートは寝坊助だからさってアネットは、青の書をパッと異空間魔法で仕舞いながら言ったのである。
「それじゃあ…まずは朝飯が済んだら、村長の所に行くか」
「ラッキー!今日はまだ朝食はしていないんだよね!リュートの作るご飯はうちのメイドと違ってすっごく美味しいし!」
「そうかそうか。今日はお前が大嫌いだっていうトマトとピーマンを入れてやるからな」
「うー…!そういう所が大嫌いだ…」
「そうやって好き嫌いばかりしてると…大人になれないぞ」
「だ、だって…不味いもん!野菜なんて不味いじゃん!」
今にも泣き出しそうなアネットをよそにリュートは起き上がると、そんなアネットを無視するかの如くで、台所へと向かうと朝食を作り始めたのだった。
太陽神ミスラーンの再来(仮) 蒼樹 煉 @seirai25-higuro8
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