第3話 「遙」

「一揆をおこすってどういうことだ?」

意味が解らない。

「そのままじゃ。」

こんな時まで冷静になるなよ。

「策はあるのか?兵は?武器だってどうするのじゃ?」

「落ち着け、一通り考えておる。」

俺ははっとなって、気にも付かずに上げていた腰を下ろした。

「すまん…つい。」

「よい。急に言い出したわしもわしじゃ。」

「兵なら心配するでない。」

そう遙は微笑んだ。

「今、桃太郎の世が崩れかけておるのは…まあわかるじゃろう。」

「ああ。民も苦しみ、貧民窟がここの南あたりで形成されたと。」

「それを利用する。」

「利用とは?」

俺の頭で疑問符が浮かぶ

「この世に絶望したものたちに、刀と後押しの声援を与えるとどうなる?」

やけに納得してしまった。たちまち、その納得が興奮へと変わった。

「こちら側に加勢するのかッ!」

また、ふと立ちあがってしまった。

「おぬしは、足を鍛えておるのか…?」

顔を今にも爆発しそうな赤色にかえて再び、座った。


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鬼正義 井手転起 @199199a3

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