第二回さいかわ卯月賞、わたし的オススメ作品!
諏訪野 滋
第二回さいかわ卯月賞、わたし的オススメ作品!
犀川 よう様の自主企画「さいかわ賞」、「第一回卯月賞」「第一回水無月賞」「第一回葉月賞」に続いて今回「第二回卯月賞」が開催されました。またこの間に犀川様は「エッセイを書きま賞2024」及び「最可愛女子💗たちが感想書いちゃうぞ⭐️」も企画され、その運営には多大なご苦労があられたことと思います。
私は水無月賞を除いた全てに参加させて頂きましたが、その間に出会った作品と作者様には本当に大きな学びを頂いています。作品の感想をメモしながら「何食べたらこんなの書けるようになるんやろ…」と身もだえしつつ、毎回楽しく勉強させて頂いております。
さて、今回の「第二回さいかわ卯月賞」。第一回に続いて「春」をテーマに、多くの素晴らしい小説が集まりました。
https://kakuyomu.jp/user_events/16818622172196158126
そして全ての結果発表が終わった今、わたし的オススメ作品を紹介させて頂きます! 相変わらず技術的なことにつきましては全く当てにならない私ですので、あくまで「好き!」が唯一の基準となっております。今回もあえて内容については匂わせ程度にとどめておりますので、その素敵な内容については、ぜ・ひ・皆様ご自身でお確かめくださいませ!
(なお、紹介させて頂いた作者様に個別にご承諾を頂いてはおりませんので、差支えがございましたらご連絡頂ければ対応させて頂きます。申し訳ございません。)
では、わたし的オススメ大賞はこの3作品!(3作…?という突っ込みはナシで)
「春雷の形見」 縦縞ヨリ様
https://kakuyomu.jp/works/16818622171272603472
経験者なら涙なくしては読めない物語。藁にもすがる気持ち・ラストのスマホでの切ないやり取り、同じ悩みを抱えているすべての方への応援歌だと思います。「春」のお題に対し、ストーリーに絡んだ伏姫桜の使い方も非常に効果的で印象的でした。希望があると信じ続けることこそが生きるという事だと気づかせてくれる、優しくも強い作品です。
「蛇と桜」 旗尾 鉄様
https://kakuyomu.jp/works/16818622172249059914
切ない、の一言。衝動的で刹那的な主人公の気持ちも痛いほどわかってしまう、悲劇のミステリーのラストのような余韻がずっと続いています(横溝正史先生の「悪魔の手毬歌」のラストのような…わかります?)。犯罪行為に対しコメント欄では倫理的に揺れたご意見もありましたが、読者である私自身が試されているようで、非常にスリリングな読書体験をさせて頂いたと思っています。葉月賞の「風鈴」に続く考えさせられるテーマ、次作が待ち遠しいです。
「スプリングスプリングまでアットすこし」 ぬ様
https://kakuyomu.jp/works/16818622172574737380
私が確認したところでは今回GL小説は選者の惣山沙樹様の作品を含め5作であったように思うのですが、そのどれもが大変素敵な作品ばかりでした(あ、拙作を除きます…)。その中でもとにかく文体・シチュ共に私にぶっ刺さる、理想的な社会人GLがこの作品。詳細省きますが、満ちゃんのあざと可愛さも大好きである一方で、一度痛い目に遭っている茉央さんの「関心があるのに容易に近づかない、近づけない」猫属性に完全にやられました(詳細省いてない)。私のこの早口振りでこの作品の素晴らしさが伝わりますでしょうか、皆様もぜひ!
続きまして、わたし的優秀賞はこの8作品!(8作…?)
「タンポポコーヒー」 鳥尾巻様
https://kakuyomu.jp/works/16818622172230667309
まずもってタイトルが秀逸。「タンポポコーヒー」を知っている方は「おお、あれをどう描くのか」となりますし、知らない方は「ええ、何これ?」となる(私は後者)。いずれにしてもすでに本文に引き込まれてしまうこと請け合いなのです、熟練の技ですね! お話もどこか懐かしい温かな夕焼けのような読後感で、大変好みな一作でした。
「セレナーデ」 佐藤宇佳子様
https://kakuyomu.jp/works/16818622171768464706
もう私、寓話を自分なりに解することが全くできなくて…発想力と教養の貧困だという事はわかっているのですが、こればかりはいかんともし難く…それでも相変わらずの文体の美しさと耽美さに「何とか近づきたい」と思いつつ、やはり毎度のように玉砕してしまうのでした。自分も頑張りたいなあ……向上心!
「春が来た日」 🌸春渡夏歩🐾様
https://kakuyomu.jp/works/16818622172557412216
私は犬や猫と一緒にいる暮らしを経験したことはないのですが、家族である彼らとの別れのつらさは大変なものであると想像されます。寿命の違い、子を先に亡くす親に通じる辛さがあるのかもしれません。それでも前を向いて春を迎えるラスト、とても素敵なリスタートの物語でした。
「春の始まりがいつなのか、あなたは知っているだろうか」 未来屋 環様
https://kakuyomu.jp/works/16818622172582203928
今回の豆ははこ様の作品もそうですが、押し付けられがちな女性像というものはやはり根強いものがあるのだろうなあと想像してしまいます。いまだに一部の分野では男性優位な職場も多く残っていて、そのような場所はいずれ弱体化の一路をたどるのだろうな…と思わずにはいられません。もっとも私の同僚の女性方は、私をはじめとしたへろへろの男性陣よりもはるかにパワフルですが(汗)。性別年齢関係なく、互いに補って助け合っていけばいい。そんな素敵なお話でした!
「Sakura Log:Memory Blossom」 悠鬼よう子様
https://kakuyomu.jp/works/16818622172448675655
今回、最も幻想的だなと感じた作品。美しいSFというのは私的にはとても破壊力が高く、ハッピーエンドであれバッドエンドであれ精神を解き放ってくれるドラッグ的な効果があります(いえ、ドラッグやったことありませんが!)。百合だから綺麗という短絡的な理由ではもちろんなく、繰り返す春に永遠を感じられるとても優しい作品となっています。疲れた時にとてもオススメ、ぜひ!
「春風にアイ」 霜月れお様
https://kakuyomu.jp/works/16818622173980906730
「スプリング・キッチン」 のりのりの様
https://kakuyomu.jp/works/16818622173950364328
「グローアップ」 霙座様
https://kakuyomu.jp/works/16818622173317697292
大変失礼ながら3作を並べさせて頂きましたが、私的に「ちょっとうまくいってない子が一生懸命に頑張る」テーマがどの作品にも共通していて、春にぴったりのとても素敵な作品群だったのでまとめさせて頂きました。今回の拙作「木の芽時の恋」も、どことなく周囲になじめない、それでも自分らしく生きていたい、をテーマにしていたものですから…
「春風にアイ」は3作の中ではちょっと不思議な話になっていますが、昔の自分を慈しみながら今の自分にエールを送る、とても勇気をいただける作品です。個人的に読後感はこの作品が一番かも…自分のままでいいんだと優しくなれる一作、ぜひ読んで頂きたいです!
「スプリング・キッチン」は、新社会人になった娘を心配する母親のお話。親にとって我が子はオンリーワン、淡々としたやり取りの中にしっかりとした愛情が伝わってきて、いいお話だなあ…とため息が出ました。ラストの一文も秀逸だと思います。
「グローアップ」は霙座様らしいキラメキがつまった、新入学の我が子に対する母親からの応援歌です。こちらも知らないうちに自分なりに成長している我が子に対する驚きと喜びが4000字一杯に詰まっていて、春らしい門出の物語でした。
今回のさいかわ賞は第一回と同じく「春」がお題であったのですが、とある作家様と「春」は切なさと喜びのどちらに情動の天秤が傾くのか、ということが話題になりました。上に挙げさせていただいた3作品様は、春ならではの「新入学」「新社会人」というイベントをモチーフにした、とても元気をいただける陽性の作品だったと思います。そういう意味では、大賞を受賞された「時効」(@zawa-ryu様)はまさに異色であったかもしれません。今回のさいかわ賞もそれぞれの作家様の個性を存分に引き出した素晴らしい企画でありました、参加された皆様お疲れさまでした。また読者として参加された皆様にも、企画を盛り上げて頂いたことに御礼申し上げます。
以上、勝手に決めたわたし的オススメ作品ではありますが…どの作品も本当に読みごたえがあって、上記は優劣などではなく刺さり具合の強弱でしかありません。手元のメモには拝読させて頂いたすべてのお話に対する感想が殴り書きされていますが、どれもわたくしの宝です。これまで同様に大切に保管しておき、折を見ては読み返したいと思います。
皆様もぜひ全ての作品を読んで頂き、自分だけのオススメ作品を組んでみてください。好きな作品を並べてみることで、自分に対する新たな発見があるかもしれませんよ!
最後になりましたが、企画を主催していただきました犀川よう様、ならびに選者の労をお取りいただいた惣山沙樹様・豆ははこ様・うみべひろた様に重ねて感謝を申し上げます。ありがとうございました!
第二回さいかわ卯月賞、わたし的オススメ作品! 諏訪野 滋 @suwano_s
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