42話
そして城を出て少し歩き、城下町に行くとカイヤが口を開く。
「タルザナ、今日は好きな場所に行こ」
「え、いいの?」
「良いぞ。まぁ、君のことだからギルドに行くんだろ?」
と言いながらカイヤはタルザナの服装に視線を向ける。タルザナが着ていた服装はロゼとしての姿だったのだ。カイヤもそれに合わせて地味な装いをしていた。二人は王とその婚約者ではなく、ただのカイヤ、タルザナになっていた。タルザナは先程までの品性から勇ましく男らしいが品性を残した佇まいで、カイヤに微笑む。
「じゃあ、一緒にギルド行こ?初めてでしょー」
「うん、確かに初めてだ。正直楽しみだ」
カイヤは心底楽しそうに微笑む。そんなカイヤの表情を見て嬉しそうに微笑み口を開く。
「それにしても、君の素を見るのは安心するな」
「へぇ、何か今日素直じゃん」
と言いながらタルザナは嬉しそうにカイヤの頭を撫でる。カイヤは照れくさそうにしているが、嫌がったりはしなかった。そんなカイヤを見てタルザナはいたずらっぽく笑いながら話す。
「私みたいなのをそこまで褒めてくれるなんてさ」
「本当に、君はどんな性格でもそれぞれ違った魅力がある」
「はぁ、今回はそう言うの無しなし。小っ恥ずかしい謳い文句はやめてよ」
タルザナは照れくさそうに言いながらギルドに入る。するとタルザナに柄の悪いが人達が絡む。
「おいおい、お前みたいな女がひょろい男女でこんな所でデートですかぁ?」
と言いながらタルザナに近づく。タルザナは冷たい目でそれを見る。タルザナは、その人達を無視して今にも殴りかかりそうなカイヤに声をかける。その表情は小物に構う暇はないと言わんばかりだ。
「ねぇ、カイ?さっさと依頼取りに行こ」
「え、あ…あぁ」
とカイヤは急の偽名呼びに困惑しながら答えてタルザナの背を追う。すると柄の悪い人達は苛立ちながらタルザナの肩に手を置く。
「おい、ランクBである俺らを無視するタァ…良い度胸してるじゃねぇ…」
と言い終わる前にタルザナは肩に置かれた手を振り払い柄の悪い人達の膝に蹴りを放つ。痛みでしゃがみ込む人たちに向ってタルザナは言い放つ。
「はっ、弱い犬ほどよく吠えるとはまさにこのことだな。あと、私はAランクだ。小物風情が私の肩に触れるな。汚らわしい」
と言いながらタルザナは、柄の悪い人たちに触れられた肩を汚いものを触れたかのように払う。周りは驚きを隠せなかった。カイヤもまたタルザナの大立ち回りに驚きを隠せずにいたが、タルザナについていく。そしてタルザナは受付嬢に優しく声をかける。
「こんにちは、Aランクの依頼はどちらでしょうか?」
タルザナは受付嬢にロゼとしての冒険者カードを見せながら声をかける。受付嬢は慣れたように案内をする。タルザナは優しく微笑みながら
「ありがとうございます。では、」
と言いながらタルザナは慣れたようにAランクの依頼に目を通した。二人で選んだ依頼を受付嬢に持っていき依頼の説明してもらう。
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