39話
そして話し終えた二人の言葉を冷静に聞いていたタルザナは立ち上がり爽やかな笑顔で言葉を言い放つ。
「…少し、ごみ処理をしてきますわ」
と言いながらタルザナは隠し持っていた鉄扇、諳記達を携えて部屋を出ようとした。そんなタルザナを二人掛かりで止める。タルザナの力が強すぎて一人では抑えられなかったのだ。そして二人に止められたタルザナは不服そうに唇を尖らせる。
「……何で、少し貴族達と神官をお話ししようとしただけなのに」
「「そんな武器を持ちながら言うことじゃないからな!?」」
二人はタルザナの言葉にツッコミを入れる。だが、カイヤはファトールとタルザナが同じ反応をしたことに言いしれない面白さを噛みしめる。そしてカイヤは自分は周りに恵まれていると心底考え心が軽くなった。タルザナは納得していなさそうだったが、二人でなんとか説得して結婚する準備を進めることにした。その様子を見た二人は心底、安堵した。だがそれと同時に貴族達をや神官を眼の前にしてタルザナが暴れないか心配をしていた。タルザナはエターセコイアの貴族達を見ながらつまらなそうにボソリと「…汚らわしい顔と性格ね」と言いながらタルザナは貴族の情報を他国の人間より僅かに乱暴にテーブルに置く。その姿はまるでタルザナは資料の写真の顔とポーズ、そして僅かな情報だけで貴族たちがどんな人間かを知ろうとしていたようだった。そんなタルザナにカイヤは恐る恐る尋ねた。
「な、なぁ…もしかして、資料を見せるように言ったのはどんな性格か事前に知るためなのか?」
「まぁ…顔、表情、仕草、雰囲気で大方の性格わかるから。それと、事前に名前とか知ってる方が後々楽になるでしょ?」
タルザナはそう言いながら、何事もないように言いながらも資料を目に通す。カイヤとファトールは驚きで目を見開きながらファトールが口を開いた。
「な、なら。俺はどんな性格か分かる?」
と言いながら自らの指さした。タルザナは資料を捲る手を止めて、資料を置き立ち上がりファトールの前に立った。その刹那、タルザナが口を開く。
「………性格は、仲間思いな人間。それも仲間や信用している人間のためならどんなことも厭わない。そういう人間みたいね。誠実で他社からの信頼も厚い。でも、誰にでも好かれるようなタイプではなさそうね。貴方は本当に信用している相手にしか本性を見せないし慎重で人を試そうとしてしまう性格ね。見たところ本性を見せたのはカイヤ様と私くらいって所かしら?
「……その様子、当たりね?………貴方は幼い頃から大人達の醜く汚らわしい一面を見て、そしてその争いに振り回されていたのでしょうね。信用できるのはカイヤ様だけ。その目が雄弁に語っているわ。そして信用している人間が幸せでいてくれたら自分が不幸せでも良いと考えているきらいがある。それは素晴らしいけど時には己の身を滅ぼす」
タルザナは早口で捲し立てながらファトールの目を見た。その目を見て何かを察し、正気に戻ったタルザナは「これで充分?」とファトール、そしてカイヤに問う。二人は黙って頷いた。
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