35話
そしてタルザナは目を覚ました。すると辺りはもう夕方だった。タルザナは急いで身だしなみを整えてカイヤの元へ行こうとした。すると、するとドアの前にファトールが立っていたことに気づき反射で距離を取る。驚きすぎて鉄扇まで出していた。そのタルザナの様子を見て、ファトールは大笑いした。本来なら、不敬にあたるがそれはタルザナは気にしていなかった.。
「タルザナ様、おはようございます。ぶつかると予想してたから普通に笑ってしまって失礼しました。あと、陛下からの言伝です。どうせ、お前のことだからこちらに来ると思っていた。だが、問題はない。食事は部屋で食べると良い。今日は休むように。との事」
「分かりました。ところで結構打ち解けてくれましたね。貴方、昨日のキャラは素ではないのは知っていました。まぁ…少しずつ打ち解けてくださいね。では、陛下の言うとおり休ませてもらいますわ」
と言いながらタルザナはカーテシーをして自分の部屋に戻った。ファトールは内心少し恥ずかしがりながらカイヤのところへ戻っていく。そして、タルザナは本を読む。するとタルザナはずっと引きこもり一日中ベッドの上でゴロゴロとしていた。するとノックの音がした。タルザナは身だしなみを整えてドアを開ける。するとカイヤが立っていた。
「あら、来てくれたんですね。陛下」
「あぁ、少し顔色が良くなったな。良かった」
カイヤを部屋に招き入れるタルザナ。するとカイヤはどこか落ち込んだ様子でタルザナを見た。まるで自責の念を抱いているような表情である。
「…それで、何かご用ですか?」
「あぁ、先程は守ってくれてありがとう。そしてすまない。お前を支えないといけないのに、予想外なことに狼狽えてしまった。」
「……良いのですよ。貴方がここの人達を大切にしているのは、分かります。そんな人間の裏切りなど狼狽えない方がおかしいですもの。それに私は支えられるだけの人間ではありません。私は貴方と支え合いながら暮らしたいのです。私の得意分野と貴方の得意分野を合わせてお互いに支え合いましょう」
タルザナは、そう言いながら優しく微笑みカイヤに手を差し伸べる。カイヤは「ありがとう」と言いながらその手を優しく取る。だが、タルザナはどこか安堵しながら罪悪感を覚えていた。なぜなら、タルザナには理想の夫婦像が分からないから。前世では、仮面夫婦だった両親を見て育ち結婚したらそうなるのが当たり前だと思っていた。だが、現世で仲のいい両親を見て何が正解なのか全くわからなくなったのだ。
(こんな私が居たらカイヤは幸せになれるの?他にもたくさん私よりすごい令嬢はいる。もっと良い人と結ばれるべきなんじゃ…?)
タルザナは、考えていた。カイヤがいい人だからこそ、そしてカイヤを愛しているから来る考えだというのをタルザナが気づくのはもっと先のことだ。
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