第2話 スキル『メニュー』
地球にダンジョンが出現するようになってから60年。世の中は様々な資源や食材が取れるダンジョンと、そのダンジョンへ踏み入り探索して資源を手に入れてくる者達、通称『探索者』が人気となっていた。
そして俺、澤村 巧も探索者になる事を夢見ていた1人だった。
しかし、探索者になるにはスキルに目覚めなくてはならず、基本的にスキルは13歳、遅くても15歳迄には目覚めるのが常識である。俺はスキルに目覚めることがなかった為、探索者の夢を諦めたのだ。
そんな俺は今は大卒、しかも2浪した23歳だ。今さらスキルに目覚めるとは到底思えない。
「荷物が少ないとは言え、引っ越しをしたもんな。うん」
疲れからの幻聴だと結論付けると、スマホをジーパンのポケットに仕舞う。スマホの時計が12時ちょっと前だった事は確認したので、昼メシにしよう。そうしよう。
「さて、冷蔵庫の中身は日持ちするのはそのまんまにしてるらしいし、《メニュー》は何にしようかなっと」
《ピロンッ》
「……んぅっ!?」
独り言を零しながらキッチンへ向かおうとすると目の前に何か変なものが出現した。大体タブレットの画面程の大きさの長方形の何かだ。
何だろうかと裏を見ようと体を動かすと、俺に合わせてその長方形も動く。というかこれ、何かパソコンのウィンドウみたいな……。
「……ってあれ?何か端に書いてる」
良く見てみると、一番下に何やら矢印みたいな物があった。好奇心のままに手を伸ばしてみると、
「あ、触れるんだこれ」
不思議と指先に感触がある。熱くもなく冷たくもなく、つるりと硬い感触……近いもので言ったら液晶パネルのような、そんな感触。
ますますタブレットみたいだな、とそんな感想を抱きながら、矢印を触ると、
「うおっ!?なんか出た!?」
下から上へ向かってスイッと何かが出てきた。そこには、丸いアイコンのようなものがズラッと並んでいて、タブレットみたいだという印象が更に強まる。
取り敢えず一番右上にある、人のピクトグラムが描かれたアイコンをタッチすると、
————————————————
×
NAME:TAKUMI SAWAMURA
RACE:HUMAN
LV.1
JOB :UNEMPLOYED
STATUS
HP :10/10
MP :0/0
STR:4
VIT:4
MND:4
INT:4
DEX:4
AGI:4
LUK:5
SKILLS
【MENU】
TITLE
【Late-blooming talent】
————————————————
「何故に英語!?」
書かれている項目的に恐らく俺のステータスであることは分かるのだが、何故英語なのか訳が分からない。
左上にある小さなバツ印を押すと、予想通りアイコンの並ぶ状態に戻った。
「これ、まんまスマホとかみたいな仕様なのか」
大体使い方を把握しながら、他のアイコンを押して、確かめることにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます