短歌10首全てが、「車窓から見える景色」という、何の変哲もないフレーズで始まります。そして、それぞれの第三句以降で、イメージが展開していきながら、全体を通しても、掌編小説のように物語が展開していくのです。「車窓から見える景色」とは、すなわち人生そのものなのでしょう。リフレインのかがやきが眩しい短歌集。推し短歌1首。車窓から見える景色よ永遠に私の命を溶け込ませて
車窓という切り出された額縁に映える風物詩へ、日々の生き方を重ねた意欲作と、私は捉えました。車窓という言葉のリフレインが、心地よい言葉のアクセントとなり、私をこの世界へ引き込んで行きます。散文詩とも違う独特のセンスもお薦めです。素敵な作品に感謝と賛辞を