第20話(最終話):未来にソートされながら ~順番じゃない、物語がある~
テーマ:安定ソート(Stable Sort)
🌸 シーン:卒業式前日、放課後の図書室
静かな空気に、夕陽が差し込む。
「なんかさ、振り返ってみると、
いろんなことが“順番に並んでた”気がするんだよね」
真中紗和は、図書室の窓際でつぶやいた。
「AI研に入ったのも、こと葉と出会ったのも、遥斗と話すようになったのも。
あれって、偶然じゃなくて――なんか、ひとつの“並び”だったのかも」
💻 遥斗、ファイル整理中の手を止めて言う
「たぶん、それは安定ソートの話だね」
「……え、卒業式前日にアルゴリズムの話し始める人いる?」
「ちゃんと意味がある。“順番が意味を持つ”という話だから」
遥斗はやさしく笑った。
💻 アルゴ、記録フォルダから静かに登場
安定ソートとは?
データを並び替えるとき、同じ値の要素の“元の順番”を保つアルゴリズム
“ただ並べる”だけじゃなく、その人の歩いてきた順番を尊重する
バブルソート、マージソートなどは安定ソート
クイックソートは、順番を壊す可能性あり
📘 紗和のノートに書かれた「ログ」の一部
こと葉と初めて話した日 → 書庫整理のボランティア
遥斗に初めて言い負かされた日 → ガチャ貯金のアルゴリズム
初めて泣いた日 → DFSの話のあと、教室の隅で
初めて「自分が好き」と思えた日 → 再帰の卵を食べながら
「ねえ、これ全部、ただの“イベント”じゃなくて、
順番どおりに並んでたから、私になったって思わない?」
こと葉がうなずく。
「安定して並んでた。うん、“ぐちゃぐちゃにされたら、違う人になってた”気がする」
遥斗がまとめる。
「だから、安定ソートって“その人の物語を壊さない並び替え”なんだよ。
見た目が変わっても、内側の順番は、ちゃんと残ってる」
🧠 今日のアルゴリズムまとめ(最終)
安定ソートは、並び替えの中で「順序の記憶」を守る方法
それは、出来事が起こった順番=その人の成長の軌跡を意味する
最後に大事なのは、「順番通りに進んだか」よりも、
“どんな順で歩んだか”を覚えていること
❓考えてみよう
あなたの物語を、他の誰かが並び替えたら――今のあなたはできていた?
同じ選択をしても、同じ順番じゃなければ意味が変わること、ある?
🎁 エピローグ
卒業式。
退場の音楽が流れるなか、紗和はふと振り返った。
いくつものアルゴリズム。
いくつもの選択。
いくつもの後悔と、納得と、たぶん“好き”のかけら。
そして、いくつもの自分らしい順番。
教室のドアを出るとき、スマホのアルゴから通知が届いた。
「あなたのログは、安定して記録されました。
並びは自由。意味は順番の中にあります」
紗和はそれを見て、小さく笑った。
「順番じゃない。物語がある。
だから、未来へ進めるんだと思う」
🎓 AIと青春の物語:完
🧾 総まとめ:登場したアルゴリズムたち(全20話)
話数 タイトル アルゴリズム
1話 プリント分配戦争 分割統治
2話 つながるスイッチ 二分探索
3話 ソートされた告白 ソート全般
4話 フィボナッチな放課後 再帰+メモ化
5話 DPポッケと1000円ガチャ 動的計画法
6話 動くメモと思い出と、あと130円 DP応用
7話 ハイタッチ迷路 深さ優先探索
8話 ハッシュで隠し味 ハッシュ法
9話 ビットなダンスフロア ビット演算
10話 再帰する卵 再帰処理
11話 マージでマジック マージソート
12話 グラフのとなりに君がいた グラフ構造
13話 優先順位の法則 優先度付きキュー
14話 ヒューリスティックは気まぐれに ヒューリスティック探索
15話 ナップサックの中身は未来 ナップサック問題
16話 フロイドの街角 ワーシャル–フロイド法
17話 分岐のパラドックス 木構造
18話 Unionに憧れて Union-Find
19話 貪欲なラプソディ 貪欲法
20話 未来にソートされながら 安定ソート
『アルゴリズムは恋を知らない。けれど、君を選ぶ。』 Algo Lighter アルゴライター @Algo_Lighter
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