第4話

ロズット「──きろ」


 閉じた瞼に当たる光が鬱陶しい。


ロズット「起きろハザ」


ハザ「ん〜。なに?」


ロズット「まぁ、色々世話になったからな。私は始めてこの様な人種と関わった。経験としては金、だろうな。報酬を振り込むのだが、口座は?CCで良いなら10000CCでどうだ?」


ハザ「……口座なんてないよ。あたし非国民ワンダーだし」


ロズット「そうか。物理通貨か。……どうしようか。私はもうハザに会うことは出来ないだろう」


ハザ「なんで呼び捨て……まぁいいよ。どうせ運んだ程度出し。弱み握ったからね」


ロズット「へ……?」


ハザ「あたしなら何時でも首を落とせる国家、ネオ連邦。いいね」


ロズット「は……はは。笑えないが、その通りかもしれんな。また会えたなら、なにかお礼をしようか」


ハザ「……会えたらね」


ロズット「失礼する」


カーカヤラガ「さみしくなりますね」


ハザ「ならないよ。対して口動かさない奴だったしね」


カーカヤラガ「……その潤んだ目はどう要件で?」


ハザ「……さぁ。あたしも色々あるの」


カーカヤラガ「記録はどうしましょうか」


ハザ「なんの?」


カーカヤラガ「勿論、今の気持ちでも」


ハザ「……CSIの情報って公開されるかも知れないじゃん。だからいいよ。いくら可能性とはいえ、自分をそんなにひけらかすのに、抵抗あるし」


カーカヤラガ「……らしくないですね」


ハザ「あたしの何を知ってるの?」


カーカヤラガ「……いえ、特に」


ハザ「でしょうね。じゃあ逃避行を続けないとだね」


カーカヤラガ「行き先はどこに?」


ハザ「う〜ん。迷うけど、あたしが変われる場所に行こうかな」


カーカヤラガ「フィーンへドアはどうでしょう?」


ハザ「船乗れるかな〜」


 エンジンの音が体を震わす。

 物と者の二人旅。

 終着点はわからないが、今を楽しむ余裕がある。

 困難もそれまた二人の旅の色。

 ハンドルはまだ握ったままだ。

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メドニセモノ外伝 なうなす @nawnas

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