『礼儀と演技で天下を取る!〜お嬢様科、満点目指して〜』
@wassha
第1話「転生令嬢、今日も満点狙いで優雅に演じますわ!」
この学園には三つの科が存在する。
経営を学ぶ《企業後継者科》、政治を志す《行政育成科》、そして──
「ふふんっ、ごきげんようですわ、生徒諸君!」
今日も校門前で圧巻の挨拶をかますのは、
フルネーム:黒乃 麗華(くろの れいか)。
挨拶点、マナー点、所作点の学園ランキング常連。だが――
(フフ……視線を感じますわ。今日も完璧な所作に見惚れておりますのね。もちろんですわ)
心中ではやりきった自分に拍手喝采。
──なお、周囲の視線の内訳は以下である。
《令嬢科》の生徒たち:「……またやってる」「あの人だけ空気が戦前なんだけど」
《企業科》の男子生徒:「なんであの人、毎日手袋してんの?」
政治科の筆頭男子・神条院律:「……芝居がかっている。裏があるな」
「ふん。貴様のような、過剰に礼儀を強調する者こそ危険だ」
神条院律は、麗華の優雅な一礼にすら不信の目を向けていた。
麗華はそれに対して──
「まあっ! あなたのように、庶民派と見せかけて権力をかすめ取ろうとするタイプが一番おっかないですことよ?」
ニッコリと毒を吐いた。
「ほほほ、これが“皮肉点”に加点されればよろしゅうございますのに♪」
麗華は知らない。
この世界に“皮肉点”など存在しないことを。
けれども、ある意味彼女はすでにトップランナーだった。
この学園において、礼儀を武器にして“演技”をここまで徹底している生徒など、他にいないのだから。
『礼儀と演技で天下を取る!〜お嬢様科、満点目指して〜』 @wassha
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