Twitterのファン動画をきっかけに、この小説を知りました。
ファンの方が動画を作るほど熱量を注がれるのも納得の一作です。
この物語は、創作を勉強したい人にこそ薦めたい作品だと感じました。
自己分析に役立つ視点、冷静に作品を見つめ直せる客観性、そして物語の流れに呼応して自然と学びを得られる構成……。どれも「創作論」として非常に実践的です。
また、文章の改行やリズムが絶妙で、読むだけで呼吸が整うような心地よさがあります。まるで「文章とはこうあるべき」と教えてくれているかのよう。
小説を書いている人はもちろん、「創作をもっと深めたい」と思っている人には格別の一冊。
読んで楽しく実践的にレッスン!
流し読みするにはもったいない、じっくりと味わい、学びを吸収してほしい作品です。
自ら心を折ってしまう――。
そんなマイナスからのスタートを切る物語は、"都合良く"現れた謎の少女 日々野アイの手引きにより、主人公の書く恋愛小説をロールプレイする、という体験学習に身を投じることとなり、心を折る前に求めていた"何か"を探すために再び歩み出します。
このロールプレイは、ときに気付かされ、ときに笑い、ときに泣いて、ときに熱くなる......。
読者は、主人公 間借瞬太郎の視線を通じて様々な感情を味わうことができます。
エンターテイメントがぎゅっと詰まっています。
間借瞬太郎にとって心を折ってしまったのは『創作』でしたが、読む方の好きなもの、夢中になれるもの、に置き換えてもいいかも知れません。
心を折ったその先で、歩みを止めなかった者が見られる光景を共有してくれる、背中を押してくれるような物語です。
これは創作のみならず、勉強や仕事、恋愛、色んな瞬間にあると思います。
靴下を反対に履いていた、食べた料理が美味しくなかった、ネット通販したら思ったものと違った……。
そんな小さなことでも、心は折れます。
本作を読み終えて、これは、そんな人たち全員に向けられた「じゃあそのあとどうする?」を問いかけ、答えを見つけていく物語だと感じました。
登場人物は基本、主人公と謎の美少女ヒロインのみ。
二人の会話は常に私たちにも向けられているようで、一緒になって考えさせられます。
そうこうしているうちに、いつの間にか自分も舞台の上にいます。
自分も登場人物の一人かのように、一緒になって笑い、涙し、そしてまた笑顔になっています。
作者が織りなす意味深なセリフたち、ピュアで溢れる言葉たちに引き込まれました。会話のテンポも印象的で、どれも素敵でした。
心は折れる。
でも、決して破けてはいません。
戻して――読む。
折れ線なんて、最初からありましたか?
主人公の瞬太郎が味わった序盤の挫折について、これは小説を書いたことがある人なら誰しも共感、体験したことだと思います。そんな心が折れたその瞬間から、物語は始まっていきます。
瞬太郎は謎の美少女転校生、アイとロールプレイをしつつ、時にドキドキとしながら創作論を学んでいく。しかし、時折見せる彼女の謎は物語を不穏な空気に包むこともあって……。
読んでいくうちに続きがどうなるのか気になるような、そんな面白い作品です。
創作活動を経験したことがある人は特に見て欲しい、そんな風にも思えました。
おススメの一作ですので、是非ともご覧になってみてはいかがでしょうか(`・ω・´)ゞ