第140話 ぽろっとこぼれた本音でこじれる問題

 宙賊を倒したり、宙族に見つけられたと思ったら戦闘艦とバレて逃げられたり、そんなことをしながら3日ほど採掘を続け、ケサディーヤテトラとトルティーヤダブルの腹がいっぱいになったので一度アクルコロニーへと帰ってきた。


 コルベット用のドックでは大量の輸送ドローンが動いており、俺達の成果がプニへと変換されていく。


「3日かけて掘った分は大体8万プニぐらいで売れたのじゃ。良い儲けだとは思うのじゃ。人件費はやっぱちゃんと計上したほうがいいのかなぁって思うのじゃ」

「それはそう、全員に1,000プニずつ渡すか。問題は宙賊の賞金とスクラップで5万プニ行ってんだよな、よく来るよあいつら、初日しか来なかったけど」


 コックピットの情報端末の前でハァーと長い溜息をつくのはスズリである。ずっとケサディーヤテトラに乗せて戦闘もしてもらった。


 一方の俺は分離したトルティーヤダブルに乗っていた。分離したほうがアーマーの格納も鉱石の採取も効率良いんだよね。


 大型船を買って、採掘業っていうのは割とありなんじゃないかなと思い始めてきた。


 とにかくコロニーを色んなところで作っているため、金属だけじゃなく建材となる砂利の需要もあるから掘れば掘るほど金になる。時給制のアルバイトをギルドで募集してしまえば人手は集まるしな。飯と宿泊費はこっちで負担してやれば良い。


「1日だけで50隻ぐらいふっ飛ばしたのじゃ……これやっぱ、大型タレットを隠せるようにしたほうがいいのじゃ、そうすればもっと宙賊を騙せて寄せられるのじゃ」

「しかし、やっぱ傭兵家業のほうが手っ取り早く儲かるんだよなぁ、最終的には採掘と輸送で食ってったほうが良いかなーって思ってんだが」

「何十年後の話をしてるのじゃ……その頃にはゲンマはもっと女を増やしてもなお人生500年遊べる金貯まってそうなのじゃ」

「正直人生500年遊べる金額っていくらだよってなる」

「まぁ確かに……ん?ゲンマに指名依頼が傭兵ギルドからメールで届いてるのじゃ」

「指名依頼ィ?」


 ざっと内容を読んだが、取るに足らない護衛の仕事だ。ただし滅茶苦茶面白そうなやつ。


▽▽▽


 1時間後、俺達はリビングに集合していた。4つのL字型カウチや中央のクッションの山に各々好き勝手に座り込んで色々している。


「じゃ、今回の依頼内容の説明をする、まだ受けていないが、基本方針としては面白そうだからこれ受けたいので反対意見があったら考慮するからよろしくな、ってことでアイリスお願いします」


 アイリスによってモニターに映し出されたのは一つの青い惑星だ。大陸は全体的に緑がかっているが黄色っぽい所も多い。地球に似た惑星だ。


「ここは失陥惑星と思われている場所だ。おそらく500年前に人類に該当する種族がほぼ全て滅び、今では殺人機械共に覆われた不思議な惑星だ。俺達はここに入植する人達が生活基盤を整えられると思われる時間、およそ30日間を護衛するのが仕事だ」


 モニターは惑星を拡大し、やや高めの山を内包した太めの半島を映し出した。概ね長方形の形をしているが、右先端は鮫の歯を噛み合わせたような複雑な形をしている入江がある。


 サイズ的にも見た目的にも志摩半島にめっちゃ似ている。


「入植者達はこの半島全体の所有権を連盟を通じてトゥ・アクルプライムから購入し、1から建物を建てて住み着くそうだ。それと、ほぼ同時に主だった、都市として適している場所にトゥ・アクルプライムからの入植者達が送られて街を作っていくらしい、こっちの人達は雇われで土地の権利は持ってないってさ」

「補足致しますと、この星、シュテムと名付けられておりますが、連盟には未発見の星系でした。発見したのはトゥ・アクルプライムの公認冒険者達、発見時にはすでに人類文明は滅んでいたとのことでございます。そのためトゥ・アクルプライムは星系をシュテムプライムと命名、支配下に置きました」


 ここまでよろしいですね?とアイリスが一息入れる。


「ですが、惑星上には多数の殺人機械とモンスターと呼ばれるものが多数存在しているのを確認、我々のような傭兵を何千、何万人と雇い、制圧しつつ植民も進めるというのがトゥ・アクルプライムの方針でございます」

「今回はとりあえず30日きっかりの契約だ。1日辺り3万プニの支払いを30日後にまとめて貰う。基本的に撃破した物のサルベージ権は俺達の物だが、トゥ・アクルプライム側の機械知性の判断によってはその場で買い上げることもあるらしい」


 とりあえずの質問タイムとなる。


「妙に連盟から手に入る情報が多いのですわー、普段からこんな感じなのですわ?」

「私が居ますので、割と詳細な情報を頂いております、敵対する殺人機械及びモンスターの映像もこちらに」


 表示される殺人機械は四つ足やタイヤ、二本足で移動して、レーザーを撃ったり鈍器で殴ってくるタイプだ。ムカデ型は居ないな、ヨシッ。


 モンスターのほうは日本のゲームやラノベ、漫画アニメでよく見るタイプのゴブリンやオーク、巨大な蜘蛛やゾンビのようなもの、大きなヤドカリやティラノサウルスじみたものとか様々な生物が居た。


 もちろん食用可能な普通の野生動物も居るっぽいよ、イノシシっぽいの居たし。


「殺人機械が物騒ね?採掘仕事前に子供組以外は全員メックリレーインターフェイスを埋め込んだけど、250体の軽装ドローンで足りるかしら……」

「発見された殺人機械の鑑定結果が出ておりますが、配備されているレーザーガンは我々の技術から考えると稚拙なものです。ダメージはありますが、シールドはもちろんドローン達についている構造保持フィールドを突破するのも時間がかかるかと。キルレートは軽装ドローン1に対して殺人機械2ぐらいになります」

「足りない気がする~ケサディーヤテトラやトルティーヤダブルで近接航空支援してもいいよね?」

「ガラス化は避けろって言われてるからちょっと厳しいかもな、ただ報告されている殺人機械の群れは多くて50機だ、トルティーヤダブルでパトロールしていれば早期発見、警戒は可能な範囲だと思ってる」

「警戒専用の新しい船が欲しいですわ、トルティーヤダブルは良くも悪くも強すぎですわ」

「ケサディーヤテトラに駐機させる場所が無いのがね!別枠で保管するのも微妙なところだしさ」

「だったらもうおっきなゆそうせんをかえばいいとおもう!ぱぱとままとままじゃないひともほしいっていってるし」

「アーマーじゃなくて船操縦してみたいにゃー!」

「にゃっ!さいくつせんほしいにゃ!」


 アイリスが手をぱんぱんと叩いた。


「話が脱線し始めております、軽装ドローンことリジー8の補充に関しては200機ぐらいなら即日でいけますが、本当に必要ですか?」

「機械同士の戦いなら確かにもうちょっと良いのが欲しいかも~リジー8は幅広く活用出来るけどさ~戦闘面はちょっと弱いんだよね」

「重装ドローンじゃダメか?」

「プラズマキャノンじゃなくてレーザーキャノンのほうが良いのよね、あれはあれで制圧力は高いけど機械相手にするとなると無用なガラス化が広がるかもだしね」

「レーザーキャノン使うバトルドローンにゃんてあったっけにゃー」

「カタログにゃあ!デジタルショッピングにゃあ!」

「うちゅうせんようのぼうくうどろーんは?あれたしかとべるよね?」


 防空ドローン、確かフゥアン攻防戦の時にフゥアンが排出していたドローンがそれのはずだ。あのときは防衛ドローンって呼んでたけど。


「……4m級かぁ!入れるのちょっと大変だなこれ!」

「み~せ~て~、これケサディーヤテトラから遠隔操縦出来るやつだね」

「んー……ドッキングベイつき。これ、縦に重ねられるのじゃ。高さは3m、これなら貨物室で3機乗せられるのじゃ」

「というより客室、もしくは寝室を潰せば1機入りますね。整備の関係上3階に設置したほうが良いとは思いますが」


 寝室、余ってるからいくつか部屋潰してこいつ入れるか。


「にゃー!にゃー!せんとうにさんかするにゃ!」

「3階の部屋をいくつか潰してこいつ導入するか、宙賊との戦闘中でも誰かしら使えるだろうし……にゃんず元気だな」

「ゲンマ、イリナ達のことまとめてにゃんずって呼んでるにゃ!?ちょっと失礼にゃあ!」


 おっとバレた。


「話がずれていってるな、この防空ドローンを導入して、これで大気圏内での近接航空支援を行う感じでどうだろうね」


 2枚の大きなプロペラ風の推進装置を内包した長方形の防空ドローン、見た目はパソコンのグラフィックボードそっくりなんだが、両端にレーザーキャノンを1門ずつ、合計2門備えていてまぁまぁ攻撃的で良い。


 大気圏及び宇宙空間でも使える代物だ、足が遅いという点はちょっと問題かもだが俺達の船の巡航速度と変わらないのでまぁよし。


 これで懸念点は解決かなー、戦闘機械の補充に関してはトルティーヤダブルを買い物に行かせたりすれば良いんだよね、ケサディーヤテトラを置いとけばいいわけだし。


「つーわけで、こいつ買って、それで依頼受けよっか、何か問題ありそう?」

「にゃあん!にゃあん!」

「にゃんずってにゃんにゃー!!!」

「にゃっにゃっー」


 他の面々からの賛同は得られましたので、補給をしたら入植地護衛依頼が始まります。


 目下の問題は俺ににゃんついてくるにゃんずかな、ルーも真似するのをやめなさい、猫耳買ってくるぞ。


──

間違えて二話投稿してやがる

読んでる人居るからそのままにしとく

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