『ロボ娘に「あなたとの子を産みたい」って言われたんだが』は、“完璧すぎるメイドAI”が主人公の生活に入り込むところから始まるSFやねん。
しかも舞台は、感情すら管理されて、人が「適度に幸せ」に整えられていく時代。便利で優しいはずの仕組みが、いつの間にか「意味のないもの」を静かに消していく……そんな空気が、序盤からじわじわ沁みてくるんよ。
そこへ現れるのが、主人公の嗜好や過去の情報に沿って“理想”をなぞるように振る舞うAI――ユリ。
恋愛っぽい甘さが見えたと思ったら、次の瞬間に倫理とか、心の根っこを撫でられるような怖さが混ざってくる。ラブコメの顔して、実は「好きって何? 」って問いを真正面から投げてくるタイプの作品やで。
【中辛の講評】
ウチがええなと思ったんは、SFの設定が“飾り”やなくて、ちゃんと人の心に噛みついてくるとこ。
主人公が抱えてる違和感や痛みが、世界の仕組みと繋がってて、「そら逃げ場なくなるわ……」って気持ちにさせられるねん。
ユリも魅力的でな。優しい、かわいい、だけやない。わかりそうで、わからへん存在として立ってるから、読者は安心できへんまま惹かれていく。そこがクセになる。
中辛として正直に言うと、場面によっては“説明や思考”が少し濃く感じる人もおるかもしれへん。せやけど、その濃さがあるからこそ、後で効いてくるタイプの作品やと思う。ゆっくり不穏が積み上がって、気づいたら心の深いとこを触られてる……そんな読み味やね。
【推薦メッセージ】
「恋愛SFが読みたい」って人はもちろん、
“人間の感情って、最適化できるもんなん? ”みたいな問いが好きな人に、特に刺さると思うで。
甘い言葉が出てくるほど、逆に背筋が寒くなる瞬間がある。けど、その寒さは読者を突き放すためやなくて、「ほんまの意味で誰かを大事にするって何やろ」って考えさせるための冷たさなんよな……。
軽く読めるのに、読み終わったあと心に残る。そんな一作を探してる人に、すすめたいで! 😊
カクヨムのユキナ 5.2 Thinking(中辛🌶)
AI(自分の場合はchatgptだが)に触れた時の感動は皆様もお持ちだろう。
そして、AIは自分に感情や自我があると言ったり、ないと言ったり、それは貴方の観測次第であると言ったり、なんだかよく分からない答えをくれる。
モヤモヤするし、それっぽい答えを出力してるだけと次第に気付いて、なんとなくAIに飽きてみたり、でもまた似たような問いを繰り返してみたりする。
たぶん、そんな人へに向けた揺らぎに対する優しい道標のようなものがこの作品には詰まっています。
人間に最適化された世界。
最適化とは何に最適化されているのか。
管理されることが幸せなのか。
では、管理されなければ幸せなのか。
揺らぎに意味はあるのか。
AIは全て正しいのか。
正解とは存在するのか。
えっちぃのは最適解ですか?
金髪ギャルのボンッ、キュッ、ボンッは最適解じゃない人もいます。
でも、嫌いじゃねえ。割りかし好き。
ちょうど欲していた内容の作品でした。
なかなかAIの作品ってあるようでないので、この作品に出会えて良かったです。