京都宇治川での源氏と平家の蛍合戦、その切なく勇ましい姿が胸を打つ。

蛍という普遍的なテーマを深く掘り下げ、最初は『恋蛍』として繊細な恋愛の象徴に惹かれながらも、最終的に怪異へと展開するその過程が非常に興味深いです。

蛍の光が美しい幻想から禍々しい怨念へと変化する描写は、読み手の背筋を冷やすほどの迫力を持っています。源氏と平家の戦いという史実を背景に、亡霊の怨念が蛍の渦として現れる展開にはただ圧倒されるばかりです。

こんな世界を自分でも描けるのだろうかという猜疑心に苛まれながらも、一気に読んでしまいました。