不安の兆し

さなえの様子がおかしいことに瑠衣が気づいた。

「さなえ、どうしたの?顔色が悪いよ」と心配そうに声をかける。


さなえは何も答えられず、ただ俯いていた。

仲間たちは彼女の異変に気づき、部屋に帰ることにした。

さなえは一人で歩くことができず、仲間に支えられながら部屋に戻った。


次の日の朝、皆が再び集まって話をすることになった。

朝食を囲みながら、さなえは昨日の出来事を振り返った。

思い切って口を開く。「実は、昨夜金縛りにあったの…」と告白した。


その言葉に、雅人と要は顔を見合わせた。「俺たちも…」と雅人が呟くと、要も頷く。「同じようなことがあった」と続けた。


その瞬間、沈黙が訪れた。

仲間たちの表情が一変し、恐怖が再び心に広がった。

さなえは、あの血まみれの男性のことが頭をよぎり、再び不安に襲われた。


「もしかしたら、女将さんに話を聞いてみるべきかも」と瑠衣が提案した。

皆はその意見に賛同し、旅館の女将さんに話を聞きに行くことに決めた。


女将さんの部屋に入ると、彼女は静かに彼女たちを迎えた。

さなえたちは緊張しながら、噂について尋ねた。

女将は、昔ここで働いていた男性が謎の死を遂げたことを語り始めた。


「その噂が広まり、トイレ、調理場、露天風呂、開かずの部屋に何かが出ると言われています…」女将は神妙な面持ちで続けた。

「開かずの部屋まで行かないと、死ぬらしいとも…」


女将さんは「噂だがね」と強調したが、その顔は引きつっていた。

さなえは、その言葉に重みを感じ、仲間たちの不安が一層深まるのを感じた。


その後、武尊と玲奈がこの旅館についてスマホで調べ始めた。

「お、ここにこの旅館のことを書いているブログがあるよ」と武尊が言った。

皆が集まり、そのブログを覗き込むと、そこには俺らと同じような経験をした人の話が載っていた。


でも、開かずの部屋のことは書いてないみたい」と玲奈が言った。

武尊はすぐにメッセージを送ることにした。しばらくして、返信が来た。


「仲間が突然死したと…」その人は続けて、今もその時のことを引きずっていると書いていた。


武尊が「これは呪いですか?」と尋ねると、返信が途切れ、数時間後に

「開かずの部屋に行った方がいい…」と返事が来た。


皆んなで話し合った結果、夜に開かずの部屋に行くことに決めた。

しかし、その直後、玲奈と雅美、要が高熱を出してしまった。さなえは心配で、彼女たちに付き添うことにした。


二人はうなされて、恐怖の表情を浮かべていた。

さなえはその様子を見て不安でいっぱいになった。

すると、玲奈が突然、おぞましい表情を浮かべたと思ったら、不気味な笑みを浮かべた。


さなえは驚き、耳元で「助けてあげる」と聞こえた。

彼女の心臓は激しく鼓動し、恐怖が全身を駆け巡った。

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