[37]: 目覚めた刺客、銀髪のツンデレ(予定)

シャドーを客室の一つに運び込み、ミリアが手際よく手当てと着替えを済ませてくれた。

さすが俺の嫁(候補その1)。

俺はベッドの横に椅子を持ってきて座り、シャドーが目を覚ますのを待つ。

リリアーナとセシリアも、部屋の隅で様子を伺っている。ルナは…さすがに怖がってミリアの傍から離れない。


しばらくして、シャドーがうっすらと目を開けた。


シャドー「…ここは…?」

俺「よう、お目覚めか? 暗殺者さんよ」


俺の声に、シャドーはハッと目を見開き、飛び起きようとするが、すぐに腹部の激痛に顔を歪めた。


シャドー「ぐっ…! あ、貴様…! 私に何をした…!」

俺「何って、お前が襲ってきたから返り討ちにしただけだが? それより、気分はどうだ? 天国は見えたか?」


俺がニヤニヤしながら言うと、シャドーは悔しそうに唇を噛む。

その顔もまた、そそるじゃねえか。


シャドー「…殺せ」

俺「んー? なーんか聞き覚えのあるセリフだなあ。最近デジャヴが多いぜ」


わざとらしく首を傾げる俺に、シャドーはギリッと歯ぎしりする。


セシリア「リュート、ふざけていないで情報を引き出せ」

リリアーナ「そうですわリュート様。わたくしたちも、『黒き月影』について知りたいことがたくさんありますのよ」


後ろから冷静なツッコミが入る。

はいはい、分かってますよっと。


俺「さて、シャドーちゃん。単刀直入に聞く。『黒き月影』のアジトはどこだ? ボスは誰だ? 目的は何だ? 知ってること全部洗いざらい話しな」

シャドー「…貴様のような者に、話すことなど何もない!」

俺「へえ、威勢がいいねえ。まだ自分の立場が分かってねえみてえだな」


俺は立ち上がり、シャドーの顔にゆっくりと近づく。

シャドーは一瞬怯んだような表情を見せたが、すぐにまた睨みつけてきた。

うん、その気の強さ、嫌いじゃないぜ。

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