[36]: 新たな「お持ち帰り」と屋敷の反応
俺は気を失ったシャドーをひょいと肩に担ぎ、意気揚々と屋敷への帰路についた。
途中で何人か騎士団の連中とすれ違ったが、俺の姿を見て何か言いたげな顔をしつつも、結局何も言わずに敬礼して去っていった。
うん、それでいい。俺のやることにいちいち口出し無用だ。
屋敷に戻ると、玄関ホールでセシリアとリリアーナが待っていた。
俺の肩に担がれたシャドーの姿を見て、二人はそれぞれ異なる反応を示す。
セシリア「リュート! また厄介事を持ち込んできたのか!? しかも今度は女だと!?」
セシリアは額に青筋を浮かべている。騎士団長殿、お疲れ様です。
リリアーナ「まあリュート様、その方は? 随分と可愛らしい方ですけれど、気を失っていらっしゃるようですわね」
リリアーナは興味津々といった目でシャドーを見つめている。さすが、肝が据わってる。
俺「こいつ、『黒き月影』の刺客。ちょっと返り討ちにしちまったから、情報源として連れてきた」
セシリア「刺客を…連れてきた、だと…? 正気か貴様は!」
俺「正気も正気、大正義よ。それに、なんかチーレムの波動を感じるしな!」
リリアーナ「ちーれむ…? リュート様、それはどういう…?」
おっと、この世界の住人には馴染みのない言葉だったか。まあいい。
俺「とりあえず、空いてる部屋にでもぶち込んどいてくれ。起きたら話聞くから」
セシリア「はあああ…もう知らん…好きにしろ…」
セシリアは深いため息をつき、頭を抱えてしまった。苦労かけるな。
そこに、パタパタと足音がして、ミリアとルナがやってきた。
ミリア「リュート様! おかえりなさい! …えっ、その方は…?」
ルナ「ひゃっ…!?」
俺の肩のシャドーを見て、ミリアは驚き、ルナは小さく悲鳴を上げて俺の後ろに隠れた。
うん、まあ普通の反応だよな。
俺「大丈夫だ、ルナ。こいつはもう俺がシメといたから、何もできねえよ」
ミリア「あの…怪我とかは…?」
俺「気絶してるだけだ。ミリア、悪いが後でこの子の手当ても頼めるか? 汚え服も着替えさせてやってくれ」
ミリア「は、はい! わかりました!」
ミリアは健気に頷く。本当にいい子だ。
こうして、俺のチーレムハーレム屋敷に、また一人、新たな住人(候補)が加わることになったのだった。
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