[7]: 国王陛下に謁見! …からの無茶ぶり?

王都の中は活気に満ち溢れていた。

石畳の道、異世界情緒あふれる建物、様々な種族の人々。

ファンタジー世界に来たって実感がマシマシだぜ!


馬車はそのまま王城へと向かい、厳かな雰囲気の謁見の間に通された。

玉座には、立派な髭を蓄えた威厳のあるオッサン――国王陛下が座っている。

リリアーナ姫の父親か。娘さん、めちゃくちゃ可愛いです。


国王「おお、リリアーナ! 無事であったか! 心配したぞ!」


リリアーナ「お父様、ご心配をおかけいたしました。このリュート様が、わたくしたちをお救いくださったのです」


国王「うむ。話は聞いている。リュート殿とやら、娘を救ってくれたこと、心から感謝する。褒美は望みのものを取らせよう」


俺「どうもっす。褒美ねぇ…じゃあ、とりあえずこの国の美味しいもの全部食べたいっすね! あと、美人の嫁さん10人くらい!」


国王「…………は?」

リリアーナ「りゅ、リュート様っ!?」


謁見の間が、一瞬シン…と静まり返った。

やっべ、ノリで言いすぎたか?


俺「あ、いや、今の嫁さんのくだりは冗談っすよ、冗談! 美味い飯だけで十分です!」


国王「(…冗談か? だが、この男、底が見えぬな…)ふ、ふむ。よかろう。まずは宴の準備をさせよう。それと、リュート殿の強さ、そしてその素性、もう少し詳しく聞かせてもらってもよいかな?」


国王の目が、探るように俺に向けられる。

おっと、これは面倒な展開になりそうか?


俺「素性ねぇ…。まあ、しがない旅の最強魔術師ってとこですかね。強さの秘訣は…企業秘密で!」


適当に煙に巻いておこう。

女神様との約束もあるし、あんまりペラペラ喋るのもアレだしな。

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