[8]: 騎士団長、いきなり喧嘩売ってくるの巻
俺が国王とそんなやり取りをしていると、謁見の間の扉が勢いよく開いた。
「お待ちください、陛下! そのような得体の知れぬ男を、簡単に信用なさるのですか!」
入ってきたのは、銀髪をポニーテールにした、いかにも「女騎士」って感じの美女だった。
歳は俺と同じくらいか、少し下くらい? スレンダーだけど鍛えられた体つきで、キリッとした青い瞳が印象的だ。
美人だけど、なんかめっちゃツンケンしてる。
リリアーナ「セシリア姉様! なんて無礼なことを!」
国王「セシリアか。どうしたというのだ」
セシリアと呼ばれた女騎士は、ズンズンと俺の前に進み出て、ビシッと指を突きつけてきた。
セシリア「この男です! 姫様を救ったという話は聞きましたが、その強さ、あまりにも常軌を逸しています! まともな人間とは思えません! よって、私がこの場でその実力、見極めさせていただきます!」
俺「ええー…また戦闘すか。めんどくさ…」
セシリア「何をグズグズと! 騎士団長セシリア・フォン・アストレアが、お相手いたす! 逃げるというなら、それでも構わんがな!」
(うわ、王女様の次は騎士団長かよ。しかもこっちも美人。名前もなんかカッコいい。ツンデレの波動を感じるぜ…!)
国王「セシリア、よさぬか。リュート殿は客人だぞ」
リリアーナ「そうですわ、姉様! リュート様は本当に強いのです!」
セシリア「姫様は騙されているのです! 私がこの男の化けの皮を剥いでご覧に入れます! さあ、リュートとやら! 武器を取れ!」
俺「武器ねぇ…。素手でいいかな?」
セシリア「なっ…! 私を愚弄するか!」
カチンと来たのか、セシリアは腰の剣を抜き放った。
おー、綺麗な剣だな。魔力がこもってるっぽい。
俺「まあ、いいや。お手柔らかにお願いしますよ、セシリア団長?」
俺はニヤリと笑って、戦闘態勢に入った――フリをした。
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