Level‐2 潜入 東和民主共和国
第1話 プロローグ
私はバイオAI、コードネームはツクヨミ。
千絢のコードネームはアマテラス。彼女は生まれながらにして視力がなく、聴力も限りなくゼロに近かった。いわゆる盲ろう者だ。私が居なければ景色も見られなければ音も聞けない。正確には、音は少しだけ聞こえている。しかし、言語を聞き分けるほど明瞭には聞こえない。正常な聴力の人間からすれば、彼女が聞いているのはノイズだ。
私を創ったのは
私とアマテラスは一体化してから、博士の指示に従って行方不明の犬や猫を探す仕事をしていた。そうやって二人(私を一人と考えるとすればだが)の連携を高めるとともに、介護施設で育ち外出するのが稀だった千絢に外の世界を学ばせた。
犬猫探しをマスターした後、家出人の捜索を命じられた。そうして最初に探した
彼女は、東和民主共和国から不老不死の研究を委託された父親にバンパイア幹細胞を注入された。そうして老化速度が一般人の50分の1となる代わりに、他人の体液が必要な体質に変わったのだ。当の父親も自らバンパイア幹細胞を取り込んで、バンパイアと化していた。
神山は彼らを元の人間に近い存在に戻すと約束して研究を始めた。同時に私には、東和民主共和国の言語や文化、社会制度を学ぶように命じた。
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