第21話 前橋ウィッチーズだな

「メカデザインは癖がありますね。ちょっとお色気が多くて、それ要る? って思ったり。あと、課長か言うようにガンダムのフォーマットを使うことで説明せずに話を進めるってことですね。まあ、ガンダムを見たことない人なんて日本にいないでしょうけど(偏見)」


 特に、シャアが赤いガンダムに搭乗するという設定変更に対しては、初代ファンから戸惑いの声もある一方で、「これはこれでアリだ」「シャアならばやりかねない」といった肯定的な声もある。


「オリジナルの1話を反転させたifの世界って言われるよね」


 小春は味噌汁を一口啜ってから、ふと箸を止める。


(課長にとって、アニメや小説は“今を楽しむ”ものでもあり、“何かを積み重ねてきた証”でもあるのかもしれない)


「ところで、課長の一押しはどの番組ですか?」


「前橋ウィッチーズだな」


(ぶっちゃけたな)


『前橋ウィッチーズ』は、群馬県前橋市を舞台に、5人の女子高校生が魔女見習いとして成長していく物語である。お花屋を拠点に活動する5人の女子高校生が、魔法の力を通じて自分自身と向き合い、成長していく姿を描いている。


「王道展開というより捻りがあり、話の区切りもビターな感じがいいね」


(ガールズアニメに見えて、私もかえってアニメ玄人にはウケそうな作品と思うけど)


「まあ、ただ、あれだ。舞台が寂れた地方都市ならどこでも成立してしまいそうな気がしなくもないな。今のところ前橋市である必要があるかと言えば設定だけのことかな」


(推しの作品でも容赦ないな、この人)


「結構キャラがとけとげしい応酬をしますよね」


「そこは私的には評価ポイントなんだな」


 中年でありながら、「前橋ウィッチーズ」のようなガールズキャラクターアニメ好きを公言できるというのは、ある意味で清々しいことだと小春は思った。年齢を重ねれば重ねるほど、人は「分別」や「世間体」に縛られていくものだ。かわいいキャラクターが活躍するアニメを好きだと言えば、若い頃なら「オタクだね」で済んだ話が、年齢を重ねるにつれて、どこか「痛い」とか「こじらせてる」といった色眼鏡で見られがちになる。


 でも、そんなことを気にも留めず、堂々と「面白いから観ている」と言える大人は、むしろ強い。好きを貫くことの難しさを知っているからこそ、そうした姿勢にはちょっとした尊敬すら覚える。


 ......それに、物語の本質って、キャラクターの年齢や性別じゃなくて、「何を描いているか」にあるはずだから。少女たちの奮闘を描いた物語が、なぜ大人の心にも響くのか......答えは、そこにある。


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後書き:コンテストに応募する際には、20話と21話は割愛した方がいいのか?

小説の中で創作論議をしているだけだからいいのではないかと思うのだけれど、メタ演出は作品の評価としてはノイズになるか。

こんなオタ話ができる上司と部下の関係も素敵じゃないでしょうか?

次話から起承転結の「承」に入ります。

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