その21 裕貴奪還作戦4

 その日、竜の巣はいつになく騒がしかった。

 空に白い石のような鳥が凄まじい速度で竜の巣へ向って来たからだ。


 竜たちは好奇心旺盛であるので、ある物は並走するように飛び、ある物は竜の巣の中からその姿を眺めていた。


 その中でも真っ先にそれへと向って行ったのは赤い鱗の竜。

 他でもない裕貴を連れ去った本竜、竜姫フレアであった。


「あぁ!あの竜ですわ!あの赤い竜が裕貴様を乗せて飛び去った竜です!」


 デュアルアークの中からアクリア姫が指さして叫ぶ。


「あいつか!任せなさい!」


 美琴はとても見せられないような表情になるとデバイスを操作し、大声を上げる。


「ちょっと!そこの赤い竜!!裕貴をどこへやったの!!!」


 謎の飛行物体から聞こえた声に、フレアはびっくり仰天して竜の巣の方へ急いで飛ぶ。


「やばば!パパに知らせなきゃ!」


 背を向けて飛んで行くフレアを美琴はデュアルアークを全力で飛ばして追いかける。


「こらーっ!待ちなさーい!」


 そんな大声を出して飛ぶものだから、周りの竜たちも何事かと驚きながら遠巻きに見送るしかなかった。


§


 竜の巣の奥にある竜王の寝床。

 竜王バーンズと竜妃ヒーティは裕貴を送り出した後、戻って来てのんびりと過ごしていた。


 しかしにわかに竜の巣が騒がしくなったことに気付き、何事かと頭を持ち上げる。


 見れば娘のフレアが白い硬そうな鳥に追われて凄まじい速度で飛んで来ていた。


「どうしたのだフレア?なんだその……なんだ?」


 あまりにのんきな言葉にフレアは少しイラッとしたが、それどころではないので乱暴に着陸、土煙を上げつつ地面を擦ってバーンズとヒーティの前に止まった。


「な、なんか裕貴の知り合いっぽい?」

「フレア、貴方連れて来た場所の方々に裕貴さんのことを伝えて来たのですか?」


 胡乱な目で言うヒーティに、フレアは目を反らした。


「あ、あはは。その……後で言いに行こうかなって思ってたし。ほんとだよ?とりあえず裕貴のお世話しなきゃだったし、裕貴送っていってちょっと疲れてるし、明日辺り行ってこようかなぁ……なんて。」


 歯切れの悪いフレアの後ろではデュアルアークが着陸し、白いコートを着た若い女性が飛び出して全力でフレアに掴みかかった。


「あんたね!うちの裕貴を攫ったのは!言いなさい!裕貴はどこっ!」


 当然かなりの体格差があるのだが、美琴は身体強化のままにフレアの顔に掴みかかり、鼻先を両手で挟みながらそう怒鳴った。


「いたたっ!痛いって!ごめ、ごめんなさい!」


 その様はまるでクワガタムシかカニに鼻を挟まれたかのようだ。


「人間さん。どうか落ち着いてくださいな。貴方は裕貴さんの身内の方とお見受けします。私の娘が大変失礼を致しました。裕貴さんについては私からお話しさせていただきますので、どうかその辺りで許してやってくださいませんか?」

「我からも頼む。フレアの行動は我の不徳の致すところでもある。どうか許してやってくれぬだろうか。」


 赤い一際大きな竜と白い美しい竜が揃って頭を下げる。美琴は知る由もないが、竜王と竜妃がこのように頭を下げるなど前代未聞の出来事であった。


「分かったわ!じゃあ早く裕貴のところへ案内しなさい!」


 美琴が手を放すとフレアは鼻をさすりながら地に伏した。


「いったた、いったぁ。力強すぎでしょ。と、とりあえずごめんなさい。」

「美琴さん、お気持ちは分かりますし、私も一発殴っておきたい気持ちはやまやまですが、それは後にしてまずお話を聞きましょう。」


 後ろから他の皆も追いついてくる。舞は口調は冷静であったが、気持ちは美琴と大差はなかった。


「ま、待って待って。ちゃんと説明するから。暴力反対!」


 フレアはそう言って尻尾を自分の身体に巻き付ける。身体は大きいのにまるで仔猫のようだ。


「皆様、断りも無く娘、フレアが裕貴さんを連れて来てしまったこと、改めて謝罪致します。本当に申し訳ありません。私はフレアの母ヒーティ。竜妃と呼ばれております。」

「我は竜王バーンズ。この度は娘が本当にすまなかった。この通りだ。」


 威厳ある2体の竜が地に伏す様を見て、ようやく美琴も落ち着く。もっとも舞共々内心はまだ怒りが治まって居なかったが。勇とアクリア姫、アーシィはその様子になんとも言えない気持ちであった。


 それから互いに自己紹介を終え、ヒーティから事情の説明を受ける5人。


「やっぱり全ての元凶はその『運命の女神』ってこと?」

「元凶と言ってしまうのはどうかと思いますが、原因はおそらく女神様が知っておいででしょう。偶然この世界へ来てしまったのか、女神様が招かれたのかは分かりませんが。」

「ですが、裕貴さんはすでにここにはいらっしゃらないのですよね?」


 怒りの矛先が女神へ向いた美琴。ヒーティは少し困ったようであったが、舞は話の先を促した。


「はい。一足遅かったという所です。私もまさか、異世界から裕貴さんを追って来られるとは想像もしておりませんでした。世界すら超えるその家族愛の深さに感服いたします。改めて申し訳ありませんでした。」

「まぁ過ぎたことはいいわ。それで、裕貴は一体どこへ行ったの?」


 首を振って問う美琴に、ヒーティは困った顔。


「どこへ行かれたのかは私にも分かりません。女神様のお導きに従い送り出しましたが、その行先は女神様にしか分からないでしょう。」

「ようは手詰まりってことか?ここまで来て……。」


 勇の言葉に沈黙が訪れる。しかし、美琴は思案顔。


「その裕貴を転送した場所へ連れて行ってもらえる?調べれば転送先が分かるかもしれないわ。」

「分かりました。ご案内しましょう。」


 美琴の言葉にヒーティは頷く。

 こうして、3匹の竜に導かれ、5人は祈りの場へと行くことになったのだった。


§


 ファイタム山地の山の1つにある、竜妃が瞑想を行う古代の神殿。

 

 祈りの場と呼ばれるそこへ、美琴、アーシィ、そして人の姿になった竜妃ヒーティの3人が立っている。

 遠巻きに見ているのは勇、舞、アクリア姫、そして人の姿になった竜王バーンズと竜姫フレアだ。

 竜たちも人の姿へならないと通れない場所なので、もちろんデュアルアークも洞窟の入り口に停めておくしかなかった。


「どうです美琴さん?裕貴さんの行先は分かりそうでしょうか?」

「ダメね。アーシィとヒーティに魔力の橋渡しをして貰ってるけど、よっぽど遠い場所に飛ばされたのか今の機器じゃ測定不能だわ。」


 首を振る美琴に舞は悲し気な顔をする。


「それじゃあ測定機器が必要ってことか?」

「そういうこと。仕方ない、サマーリアの魔導研究所まで戻って必要な機材を持ってくるわ。ヒーティ、竜たちも手伝ってもらうわよ。デュアルアークはそんなにペイロード無いから重い機材は運べないもの。」


 美琴の言葉にヒーティが頷く。


「荷運びくらいいくらでも手伝いましょう。バーンズは力は有り余っておりますし、フレアも元気過ぎて毎日飛び回っているくらいですから。いくらでもこき使って下さいな。」

「ヒーティよ。手伝いはするがもう少し言い方というものがだな……。」

「ママもしかして怒ってる?」


 困惑するバーンズに、恐る恐るといった様子のフレア。


「元はといえばフレア、あなたが原因です。バーンズも、私が瞑想で居ない間フレアを頼みましたよね?2人ともしっかり反省なさい。もちろん、私も美琴さんをお手伝いします。」

『はーい。』


 笑顔で言うヒーティだが明らかに怒りが滲んでいる。体格の良い厳ついおじさんとなったバーンズとおてんば娘フレアは2人して頭を下げてしょげている。


「それじゃサマーリア王国へ戻りましょ。」


 こうしてデュアルアークは3匹の古代竜を引き連れてサマーリア王国に戻る。

 これが後に「白い箱舟と3匹の古代竜」事件としてサマーリア王国の歴史に刻まれた日の発端であった。


§


 一週間後。


 祈りの場は美琴を中心に、セイジをはじめとする魔導研究所の職員と、サマーリア王国の神官、勇、舞、アーシィにアクリア姫と、人の姿になった竜王一家3人が詰めており、測定用魔道具がいくつも並んだこともありだいぶ手狭であった。


 実際、美琴は測定機材だけあれば良かったのだが、手伝った方が早いとセイジ達が、古代の神殿を荒らして罰が下らないか心配という理由で神官たちがくることになり、デュアルアークに乗らない人員は3匹の竜たちに分乗してここまで来たのだ。


 さすがに竜王一家の背に乗せてもらって、神官や研究所職員達は恐縮していたが、当の竜たちはいつになく楽しそうであった。


「美琴様。解析完了です。」

「ヨシ。魔力の繋がりは消えてないし、測定機材も正常だけど……。これ座標がこの世界の軸とずれてるんだけど、どこに行ってるか心当たりある?」


 美琴の問いに大神官が頷く。


「察するに魔界へ行ったと考えるのが妥当でしょうな。神殿では神はこの世界にある魔力と瘴気という表裏一体の力を、世界の均衡を保ためにこの地上界と魔界に分けて管理されたと伝わっております。まるで紙の裏表の如く同じ場所でも違う世界。それが魔界です。」

「魔界ね。なるほど、それならこの測定結果も納得がいくわ。」


 するとそれを聞いていたヒーティが思案顔。


「魔界は確かにこの世界と隣り合って存在し、かつては私たちの翼で行き来できたのですが、今は世界の壁が壊れるのを防ぐため、神々によってその力は封じられているのです。」

「そうなの。それじゃ4匹の竜の力で裕貴を送ったっていうのはその力を一時的に取り戻すためだったのかしらね。」

「おそらくそうでしょう。封じられただけで失われたわけではありません。私たち古代竜は使えないだけで今も世界の間を飛ぶ力はあるのです。」


 ヒーティの言葉に美琴は頷く。


「なら話は早いわ。わざわざ魔界へいく門を開く魔道具や魔法を使わなくてもすぐ行けるわね。」


 美琴の言葉に驚く一同。


「そんな簡単にいけるもんなの?だって裕貴送った時は女神様の力借りたんだよ?」


 フレアの言葉に美琴は笑って答える。


「そんな大した事してないもの。私は別の世界からこっちへ来たのよ?地上界と魔界への扉なんて場所と装置さえあれば簡単。ま、その女神様とやらは天界とかいう別世界から行ってるから余計な力が必要なんでしょうけど、目の前でやる分にはそこまで難しくはないわ。」


 ことも無げに言う美琴。また勇が胡乱な目で美琴を見る。


「じゃあなんだ。『次元転送システム』の応用ってやつでどうにかするのか?」

「惜しいわね。『次元転送システム』はあくまで私たちとこの世界を繋ぐ役目で起動させてるの。だから魔界とこっちを繋ぐには方法は同じでも別な装置が必要ね。だから古代竜たちを装置代わりに魔界への門を開こうってわけ。」

「そんな簡単に行くんですの?」

「女神様がやったことと私の『次元転送システム』でやってることはほとんど同じなの。竜たちが元々世界を渡る力を持ってるっていうならその力を借りて魔界へ移動すればいいだけだもの。封印されてるってことは本人は使えないんでしょうけれど、力を借りてデバイスで使う分には封印の影響を受けないんじゃないかしら。」


 するとフレアが首を傾げる。


「それって、私も魔界行っても問題無いやつ?」

「それは大丈夫だけれど、何?あなたも行きたいの?」


 美琴が胡乱な目を向けるとフレアは大きく頷く。


「だって裕貴連れて来ちゃったのは私だし。魔界なんて何があるか分からないでしょ?私が居た方がいいって絶対。」


 やる気に満ちた目をしたフレアに美琴は小さくため息を吐いた。


「ま、1人増えるくらい大丈夫だし、確かに古代竜が居ればいろいろ助かるかもしれないわね。いいわ、ちゃんと手伝うなら連れて行ってあげる。」

「手伝う手伝う!任して!」


 嬉しそうに頷くフレアに、今一不安な美琴であったが、大切な弟を助けるためなら何でも使うと考えているため連れて行くことに。


 それからブレイズも連れてきて魔界への転送準備を終え、美琴、勇、舞、アーシィ、アクリア姫、フレアの6人は古代神殿の中央に集まる。


「準備はいいわね。それじゃ転送するわよ。」


 皆が見守る中、光に包まれた6人は祈りの間から姿を消したのだった。


§


 魔王国ウィンタンドの首都、中央広場はいつも通り平和そのものだった。


 早朝ゆえ人通りは少なく、朝のランニングをしている人が居る程度だ。その中には実力、人気供に1、2を争そう剣闘士、ミノタウロスのミストラルとオークのモンスーンも居る。

 彼らのいつものランニングコースであるため、すれ違う人も見慣れたもの。特に騒ぎもせず挨拶をしてすれ違って行く。


 ただ、その日は1つ違うことがあった。


 広場の先代魔王像の前に、急に強い光が走る。驚いた周囲の人が遠巻きに見守る中、光の中から6人の人が出てくる。もちろん見守る中にはミストラルとモンスーンも居た。


「ここが魔界?薄暗いけど思ったより普通ね。」

「薄暗いのは時間のせいじゃないか?」

「道や建物の色のせいもありますね。」

「ここ、魔力を感じないわ。それに瘴気に満ちてる。魔界らしいけど、こんな瘴気の中に居たら身体に異常をきたして動けなくなるわよ?」

「たしかに少し気分が悪くなって来ましたわ。裕貴様は大丈夫でしょうか?」

「私は平気だけど皆には辛いんだね。私だけでも裕貴を探しに行こうか?」


 フレアの提案に美琴は首を振る。


「まかせておきなさい。地上界と魔界という表裏一体の世界、それぞれの世界を満たしてる魔力と瘴気。思った通りちょっとシステムをいじれば……。いいわ。どう?気分は。」


 デバイスを操作後、『マナ・リアクター』の光がそれまでの青白いものから紫色に変わる。


「問題なさそうだ。」

「私も平気ですわ。」

「瘴気が変質してるの?何をしたのよ美琴。」

「すごいですわ。気分が悪いのが治りました。」

「そんなこと出来るんだ。」


 皆が当たり前に受け入れるなか、アーシィが狼狽える。


「魔力と瘴気って根本は同じエネルギーじゃないかと思ったのだけれど案の定ね。『マナ・リアクター』は元々魔力だけじゃなくて他のエネルギーも解析できれば使えるようにしてあるのよ。瘴気は魔力とほぼ同じだったから対応は簡単だったわね。ついでに瘴気の人体への影響も無効化して置いたけれど、アーシィは装置つけてないからフレア以外のだれかの傍に居た方がいいわね。」

「美琴は本当に、存在そのものがとんでもないわね。もう驚かないわ……。」


 アーシィは呆れた顔。


「裕貴の魔力の繋がりはしっかりトレースしてるからすぐ居場所は分かるはずよ。」

「いや、その前にこの状況、不味くないか?」


 美琴が意気揚々と進みだそうとしたところで勇が止める。


 周囲には少ないながら魔族たちが遠巻きに取り囲んでおり、正面には一際大きなミストラルとモンスーン。


 本人たちに戦うつもりなどないが、美琴達からすればモンスターに囲まれているに等しかった。


 周りが6人を恐れて近寄らない中、何かあっては一大事とミストラルとモンスーンが前に出る。2人は万一があっても丈夫な剣闘士である自分たちならある程度耐えられると踏んで周囲の人を守るために進んで前に出たのだ。

 2人は6人に声を掛けるが、当然翻訳されなければモンスターの鳴き声にしか聞こえない。


「あの2体はやる気みたいだぞ。」

「強そうですわね。なんとかいなして裕貴さんの所へ行けませんでしょうか?」

「悪いけど、ここじゃ私は魔法も対して使えそうにないわ。いくら魔女の魔力といったって、周囲から魔力を借りられなければそんなに持たないもの。」

「わ、私も魔術の心得はあります。微力ながらお力添え致しますわ。」

「これ、私竜に戻ったほうがいいかな?邪魔になる?」


 5人は臨戦態勢を取る。美琴だけはデバイスを開いて周囲を索敵。


「まぁまちなさい。これで……よし。あーあー、聞こえるかしらそこのお二人さん。」


 美琴が前に出て話すと、ミストラルとモンスーンは顔を見合わせる。


「なんだ?急に話が通じるぞ。」

「ふむ、よく分からんが話せるのはありがたい。」


 2人の言葉に美琴は頷く。


「思った通りね。あなた達、人間がここへ来なかったかしら?」

「ああ、来ているぞ。裕貴の事だろう。」


 ミストラルが裕貴の名を出して皆が驚く。


「裕貴が居るのね!手荒な真似はしたくないわ、さっさと裕貴を出しなさい!」


 美琴も結局は戦闘態勢を取る。


「ほう、俺達を見て戦うつもりか?」

「なめられたものだ。勝てるとでも?」


 ミストラルとモンスーンの鼻息が荒くなる。別に6人を魔王城へ案内しても良かったのだが、剣闘士として、2人を恐れず立ち向かってくる6人の力に興味が湧いてしまったのだ。剣闘士の対戦相手でも2人に物怖じせず向かってくる者は少ない。もちろん2人の実力を知っているからという理由もあるだろうが、単純に普通の人間の3倍近い体躯の2人を前に、全く怯む様子が無いとう胆力に感心してしまったのだ。


「生身なら無理だろうな。だが今なら分からないぜ。」

「ふ、吠えおる!いいだろう、場所を移そう。街中での戦闘は禁じられておるが闘技場なら問題ない。何、そう遠くはないからな。」

「ほほう。野良試合などここ数十年全くなかったからな。こいつは面白くなってきたぞ。」


 もはやミストラルとモンスーンはすっかり気分が高揚して戦う気まんまんだった。

 そこへ鎧姿の衛兵たちが駆けつけてくる。早朝で交代時間だったため通報を受けてから来るのが遅くなってしまったのだ。ミストラルとモンスーンが偶然居合わせたのもタイミングが悪い。


「お前たち何をやっておる。と、誰かと思えばミストラル殿とモンスーン殿ではないか。その6人は?」


 隊長らしき人が声を掛けるとミストラルが鼻息を吹く。


「裕貴の知り合いらしい。俺達はこれから決闘をするため闘技場へ移動する。魔王城へは知らせておいてくれ。さ、いこうか。」

「なっ!?決闘だと?ま、待ちなさい。おい、急いで魔王様に連絡だ。」


 隊長は部下に伝令を頼むと、とんでもない速さですでに見えなくなりそうな8人を必死で追いかけ始めたのだった。

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