円満だったはずの政略結婚は、円満ではなかった。政略によってリュネットが嫁いだ相手は、ダルネス子爵。
もちろん政略結婚であり、そこには家の利益がある。けれどその利益すらもなく――リュネットは帰るところすら失った。
そして子爵はあろうことか、愛人まで家に連れきたのである。しかもその愛人が、リュネットを自分の世話係にするというおまけつき。
と、こう書くとなかなかの悲劇ではあるが、そこで泣き暮らすようなリュネットではないのである。
これはすべて、計算である。
そしてそれを見破ったクルードとの出会いが、彼女の運命を変えていく。
聡いリュネットとそんな彼女を気に入ったクルードの運命がどう転がっていくものか。
あなたも見守ってみませんか。ぜひご一読ください。