去っていった母、いなくなった娘―― 女は、鏡に魅入られたのか

女であること。その反射が長い時間を通じてずっと鏡から放射されている自意識であるように思います。

鏡はなにもかもを知っているように語ります。


(ここから先は、私という読者の勝手な読み方です)
でもそれでもなお、「女」をしか映さない鏡は、やはり鏡像を宿しているだけ。
そんなふうに読む読者です。

最後の一行の語りかけが、もっと強い「女の鏡像」に向けられていたとしたら。必ずしも鏡は勝てないかもしれない。
そんな想像を許してくれる作品のように、思います。