第19話

 2人でテントを離れるとフレイさんを後ろから抱きしめた。


「ふぁ!」

「今からこの体勢で私が下になって寝ます」

「そ、そうよね」


 フレイさんを強く抱きしめて草の上に座る。

 私の上にフレイさんが寝るように体を支えた。


「この体勢で痛くはありませんか?」

「大丈夫よ、シンシこそ地面に寝て大丈夫なの?」

「大丈夫です。ではフレイさんの体に炎の魔力を注ぎ込みます」

「わかった、んんん! はあ、はあ、んんん!」


「熱いでしょう? レッドテンタクルの体液がまだ抜けきっていませんから。ですがもし我慢できないのならいつでもセ○○スをして欲しいと言って下さいね」

「はあ、はあ、ふう、無い、わ、ふう!」


「今はしませんか、もっと熱い魔力を注ぎ込みます。私の魔力を体、腕、そして杖を伝って杖先から発射します。ファイアボール」

「んんん、あああああ! はあ、はあ、はあ」


 ファイアボールが花火のように上に撃ち上がった。


「熱く、ありませんか?」

「熱いわ、でももっと注いで」

「分かりました。もっと注ぎます。 ファイアボール」

「ふう、ああああああああ! はあ、はあ、はあ」


 ファイアボールが花火のように上に撃ち上がった。


「次は私の注いだ魔力をトレースして、撃ってみましょう」

「はあ、はあ、ファイア、ボールぅ! はあ、はあ」


 ファイアボールが花火のように上に撃ち上がった。


「うまいです。もっとうまく出せるように何度も魔力を注ぎますね」

「いいから、黙って、はあ、はあ、入れて」

「分かりました。次からはファイアボールを撃つ直前まで魔力を流し込みます」

「黙って、はあ、はあ、入れて、んん、はあああああ、んんんん、ファイアボールうぅ! はあ、はあ」


 ファイアボールが花火のように上に撃ち上がった。

 更にフレイさんが3連続でファイアボールを撃ち上げる。


「はあ、はあ、また、入れて」

「次はもっと強めに入れてもいいですか?」

「いいわ、でも黙って入れて、声が、体に響くのよ」


「失礼しました。私の判断で魔力を入れます」

「んん、んああああ! っはあ、はあ、はあ、もう一回」


「んんんん、ふああああああああああ! ん、はあ、はあ、はあ、もう一回」


「ふあ! んおおおおおおおおおおおおお!」


 フレイさんの体に力が入り弓のように仰け反った。

 私はその体をしっかりと支える。


「は、は、はあ、はあ、はあ」

「フレイさん、大丈夫ですか?」

「だい、じょうぶよ」


「もし、レッドテンタクルの体液で体が苦しいようなら私とセ○○スしましょう」

「え、ええ、そう、ダメ! ダメよ!」

「そう、ですか、てっきり、そういう風に見えてしまって。私は自分の妄想で勘違いをしていたようです。今日の訓練は終わりにしましょう。これ以上は危険です。私が良からぬことをしてしまいそうになります」

「……え、ええ。そうね」


 その日、フレイさんをテントに運んだ後性欲を発散する為森や沼地を走り回り素材を採取した。



 ◇



 次の日、3人の前にレッドテンタクルを出した。

 そしてナイフを握る。


「では、解体を始めます。まずはナイフでレッドテンタクルをくるっと一周真っ二つをイメージして切れ目を入れます。中に外部の肉より硬いコアがあるのでそこまでナイフで切れ目を入れていきます。本来はロングナイフの方がやりやすいのですが限られたキャンプ装備で解体を行う為普通のナイフを使っています」


 私は収納魔法を使えるため解体せず納品する。

 しかし、収納魔法は覚えるまで時間がかかる。


「わわ、シンシさんが体液まみれです。大丈夫ですか?」

「問題ありません。最初から発情も強壮もしているので効きはしませんよ」

「……」


 コアまでナイフで切り進めると、次は右側と左側の肉を握って交差するように捻った。


「こうやって捻る事で中のコアから外側を覆う肉の片側が外れます。この時これです、この体液袋の管が出てきた場合口を縛って中の体液が漏れないようにします。念のため2カ所きつく縛ります。ここから体液が溢れてしまうとせっかく運んでも価値が落ちます。もし反対側に体液袋の口がある場合こうやってコアを捻って外の肉から外します。そして体液袋の管を縛ります。後は卵のようにナイフの柄で叩くとコアが割れます。慎重に体液袋を取り出します。ほら、出来上がりです」


「シンシ先生、もしコアが魔法で割れていたらどうすればいいの?」

「体液袋まで割れていた場合、素材は諦めましょう。それと、レッドテンタクルが不人気な理由は倒す時厄介で汚れるだけでなく、匂いのある体液を浴びながら解体をしたくないからです。なので皆さんは仲良く解体しましょう。そして大量の体液を浴びてもいいように川の近くまで転がしてからそこで解体をする方が安全です。ではやって見ましょう。誰からやりますか?」


「はい、私がやるわ。もともと私が原因な訳で」

「やる気があって素晴らしいです。はい、やってみましょう」


 ブレインネルさんが4体のレッドテンタクルを解体した。

 最初は慣れない手つきだったが2回目からは手慣れた様子で解体した。


「初めてとは思えません。素晴らしいです」

「ありがとう、はあ、はあ、体が、熱い、水浴びして来ていいかな?」

「すぐに行きましょう」


 ブレインネルさんが服を着たまま川に飛び込んだ。


「次は、ニナさんです」

「が、頑張ります」


 ニナさんは2体だけ解体して貰った。

 背が小さくどうしてもレッドテンタクルの体液をたくさん浴びてしまう。


「水浴びしてきます」

「はい、お疲れさまでした」

「次はフレイさん、疲れていませんか?」

「……大丈夫よ」


 フレイさんは少しぼーっとしているように見えた。

 フレイさんは7体を解体した。

 ブレインネルさんより苦戦していたが数をこなしてうまくなった。


「はあ、はあ、後何体いるの?」

「後1体です」

「じゃあ最後までやるわ」


「無理しないでください。私は全然やってないので私がやりますよ」

「大丈夫、また汚れちゃうわ」

「無理をしなくてもいいんですよ?」


「フレイは真面目だからね。やらせてあげて」

「分かりました」


 フレイさんが最後の1体をコアに向かって1回転切り進める。

 そして外部の肉を捻った瞬間、コアから体液が溢れ出した。

 フレイさんが大量の体液を浴びる。


「ふぉおおお! んん! はあああああ!」


 私はフレイさんを抱きしめて川に走った。

 そして一緒に川に飛び込んだ。


「息を止めてください。顔と頭も洗います」

「は、ひ」


 フレイさんを水に付けて顔と頭を洗う。 

 そして水面に顔を出させると抱き着くように体を洗う。


「か、回復魔法を、かけます」

「その前に洗います。すぐに体液を洗わないとしばらく体に残ります」

「ふう、ん! ふぉお! おおおん! はああん! ふー! ふー!」


 この後体を乾かす為2人に着替えさせてもらいフレイさんをおんぶしてダンジョンの出口を目指した。


「フレイさん、申し訳ありません。コアが潰れかけていたようです。普通は潰れているか潰れていない、そのどちらかなんですが、油断していました」

「……いいわ、事故よ」


「回復魔法で楽になりましたか?」

「……ええ」

「またかけます。リカバリー」


「ありがとう、楽になったわ」

「不人気な理由が分かったわ。男女のパーティーだと喧嘩になるわね」

「そうですね、発情して彼女の居る男性とセ○○スをしてしまう。解体の押し付け合いが起きてしまう。さっきのように大量の体液を浴びてしまう。気を付ける部分が多くあります。ですが素材の価値は本当に高いです」


「帰ったら今日は休んで、明日一緒に素材を売りに行きましょう。みんなが元気な状態で喜びを分かち合いましょう」

「ギルドに売らないの?」

「もっと高く買ってくれるあてがあります。明日案内しますね」


 みんなでギルドに帰った。

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