第5話 はぐれる
洗濯して米を洗って
庭に植えた茄子が育っているかを
確認して
(一応花は咲いている)
キャベツが全部虫に食われてるのを見て
やっぱりなって少しがっくりして
部屋の模様替えをしたくなって
箱詰めのまんまんのガラクタを
取り出してはまた入れてるうち
面倒くさくなってきて
あーそーだ
明日バンド練やしコード覚えないと
曲の途中までやって
苦手なチェンジのとこが
どうしてもうまくいかなくて
全部投げ出したくなってきて
途端に全てがどうでもよくなって
途方に暮れるのだ
あれこれ用事を思いついても
だれかに会えば気が済むと思いついても
やっぱりそれはどうでもいいことだし
面倒くさいと
どうでもいいのループから
抜け出すことができない
生きることとは
そんなどうでもいいの繰り返しな気がするが
なんで人はどうでもいいのに
一生懸命生きるのだろう
ぼんやり煙草を吸っていたら
季節外れの鶯かなにかの
下手くそなさえずりが聴こえてきて
はぐれた仲間に会えた気がして
ほっとした。
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